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私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集
 
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私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集 [単行本]

小熊 英二
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

近代150年、戦後70年、冷戦後20年
政治の流動化、経済の低迷、変容する家族、ナショナリズムの台頭、若者の生きづらさ、沖縄の重荷、歴史認識、憲法改正など、バブル崩壊以後に現れた現代日本の諸問題を語る、一九九七年から二〇一一年までの時評と講演を集めた一冊。鋭敏な時代認識、原理的な思考、社会科学的な歴史観をもって語られる、小熊史学のエッセンス。

内容(「BOOK」データベースより)

政治の流動化、経済の低迷、変容する家族、ナショナリズムの台頭、若者の生きづらさ、沖縄の重荷、歴史認識、憲法改正など、バブル崩壊以後に現れた現代日本の諸問題を語る、一九九七年から二〇一一年までの時評と講演を集めた一冊。鋭敏な時代認識、原理的な思考、社会科学的な歴史観をもって語られる、小熊史学のエッセンス。

登録情報

  • 単行本: 304ページ
  • 出版社: 毎日新聞社 (2011/3/9)
  • ISBN-10: 462032051X
  • ISBN-13: 978-4620320519
  • 発売日: 2011/3/9
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
久しぶりに小熊の著作を読んだ。読み始めると巻置くわずというところである。読後感は二点だ。

 一点目。

98頁で「自分で当然だとしか思っていなかった社会の構造を問い直すこと、これが社会科学だと私は思います」とある。僕が読んできた著者の本を通底する考え方がここにある。

実際著者の歴史的な指摘に驚いたことは多い。「現在の憲法制定時期には社会党や共産党が反対していたこと」、もしくは戦前では「日本は多民族国家である」という言説が有ったことなどは、著者に教えられるまでは全く知らなかった。現在の常識ではいささか想像が出来ないと言ってもよい。そんな常識を崩してくれることが著者の著作を読む楽しみである。

かつ、かような歴史的な思いがけない事実はトリビアに終わるものではなく、それがどのように現在に繋がっているのかという展開を繰り広げてくれる腕力がある。

 僕なりに一言で言うなら「自分自身の立ち位置と自分が生きている時代の相対化」ということだ。つい絶対化しがちな中で、相対化を行う知力と体力は常に大事なのだということを毎回思い知らされる。それが著者の著作を読む醍醐味である。

 二点目。

本書で著者が戦後から現代までをわしづかみにして提示してくれる歴史観の説得力である。
著者は「ただ気になるのは、社会が拡散するなかで、全体を把握しようとする意識の希薄化」に懸念を表している。その裏返しが「わしづかみ」という著者の手つきに表れていると僕は考える。

 著者は社会の中から色々な素材を選んでくる。本書で評される沖縄や格差社会も素材という形で提示される。著者は「沖縄を論じる」というよりは「沖縄という素材で日本を論じる」ということだ。その二つは似ていて非なるものだ。それは後書きで著者がはっきりと「私はそうしてとりくんだ個別の問題の専門家になる道を選ばなかった」と言っている通りである。

専門家にならないという道が「全体を把握しようとする意識」なのかどうかは著者に聞いてみないといけないとは思うが、僕は、基本的にはそうではないかと解している。
「例えばアニメ作品の細部から社会を論じてしまうようなものは、私個人として説得力をあまり感じられません」という言葉には僕も大きく頷いた次第だが、同じことを言っているのではないか。

 ということで非常に刺激的な読書になった。
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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By daepodong VINE™ メンバー
 小熊氏の文章がなぜこんなに面白くて刺激的なのか、ただ感心するだけではなく、その理由をきちんと考えてみることが必要だと思う。
 まず、現代のさまざまな問題を考察する時に、小熊氏はかならず歴史的な視点をそこに導入する。われわれはレトロスペクティブなみかた、すなわち、歴史的な事象に対して、その後の展開をもすべて知っている「全能者」のみかたをすることに慣れている。しかし、小熊氏は事件当時に立ち返り、当事者たちの置かれていた状況によって、必然的に制約された「ものごとの見方」(言説、と呼ぶべきか?)を復元してみせる。それによって、その事件にかかわるひとびとの行動がより明瞭に理解されるばかりではなく、現代における新しい事件を考える際に、歴史からの教訓をより的確に生かせるようになるのである。そのような歴史認識におけるラディカルな見方が、現代の難問への常人とちがった見方に結びついているように、わたくしには思われる。
 また、そうした見方によって、われわれが無意識のうちに前提とする「歴史の連続性」を、小熊氏は粉砕してみせる。彼にとって、歴史とはその時々の経済、国際関係、論壇やマスコミの論調、そして芸能などによって彩られる、連続的に変化し続ける流動体のように見えているのではなかろうか。小熊氏は政治的にはリベラリズムの支持者であろうが、いわゆる「サヨク」に属するひとびとの言論のつまらなさに比べて、彼の文章が光彩に満ちているのは、その歴史に対する立体的な把握力のためであるように、わたくしには思われる。
 ただ、不思議に思われるのは、本インタビュー・講演集を通じて、インターネットの積極的な役割について触れられていないことである。2ちゃんねるなど、消極的な方面での言及はされているのだが、これからの政治をよい方向に変えてゆくツールとしてのネット論は外せないと思われるのだが、これは専門家に任せるということか?

 本書において、小熊氏が「回答」を提示している部分は、わずかである。具体的な処方は次代の若者たちによって示されるべきだし、またわれわれの自発的な運動から自ずから示されるであろうことを小熊氏は信じているのだろう。出口を探すのは読者の役目なのである。
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
書き下ろしではないとのことで、あまり期待はしていませんでした。

ですが、『朝日新聞』や『論座』など読んだことがあるものよりも、
『スタジオボイス』、『ビッグイシュー』、『Fonte』、『エンカレッジ』(進研ゼミ?)、『通販生活』、
『クレスコ』(日教組の内部誌?)、レジス・ドブレの著書の解説、『EDGE』、『房総史学』
など、そんなものに書いていたのかというものや、聞いたことのない雑誌に載せたものが多く、
買って損はなかったです。

テーマも、過去の著作を要約としても読めるものだけでなく、
不登校、「独創的」であるとは、北朝鮮の軍備、フランス政治入門、北方領土、昨年の尖閣映像流出と
多岐に渡っています。
その意味でも損はなかったです。
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