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私たちがやったこと (新潮文庫)
 
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私たちがやったこと (新潮文庫) [文庫]

レベッカ ブラウン , Rebecca Brown , 柴田 元幸
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   HIV患者と彼らを介護するホームケア・ワーカーとの交流を描いた連作短編集、『体の贈り物』のレベッカ・ブラウンが描いた幻想的な物語集『私たちがやったこと』。本書には7つの短編が収録されている。

   1つひとつのストーリーがまるで映画のワンシーンを見ているかのように鮮明なイメージを抱かせる一方で、内容そのものはどこかあいまいで、登場人物たちも中性的な印象を残す。本書で語られているのは『体の贈り物』ではほとんど見られることのなかった非日常世界とそこに潜むある種の狂気。特に本書のタイトルにもなった「私たちがやったこと」ではその狂気が恋人たちを、1人は目をつぶし、1人は耳の中を焼くという異常な行為に導いてしまう。

   読者は、著者の独創的な想像力の波に容易にさらわれ、五感で味わう読書の醍醐味を見出すだろう。ゆらゆらと揺られながら、次第に物語の中枢にのめり込んでゆく。

   本書では、登場人物は「私」と「あなた」で語られ、名前が付いていない場合が多い。そのため性別や文脈、人間関係などに関してやや不明瞭な印象を受けるかもしれないが、それが本書の特徴を形成する重要な要素の1つであるともいえる。そして読書後、数日経ても物語の深層を追っている自分がいることに気づくだろう。(戸澤敏子) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

互いが不可欠になるために、耳を聞こえなくした“私”と、目を見えなくした“あなた”。その愛の行方を描く表題作。二人きりで過ごすはずの、新婚旅行先のコテージに、夫の知人がどっと押し寄せ、困惑する“私”―「結婚の悦び」。ホームケア・ワーカーの日常を描き、ラムダ文学賞などを受賞、静かな感動を呼んだ『体の贈り物』の著者が鋭く描く、人間関係と愛の不条理さ。幻想的で美しい短編集。

登録情報

  • 文庫: 257ページ
  • 出版社: 新潮社 (2008/9/30)
  • ISBN-10: 4102149325
  • ISBN-13: 978-4102149324
  • 発売日: 2008/9/30
  • 商品の寸法: 15.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 554,360位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
僕にはレベッカ・ブラウンのよさがわからないと思っていた。柴田元幸氏が編訳した短編集で、ブラウンの短篇に出会うたび、卑屈な気持ちになったものだ。
そんな僕がレベッカ・ブラウンの「面白さ」その筆力の「確かさ」を実感することになったのは、これより前に翻訳されている『体の贈り物』を読んでからである。

エイズ患者の世話をするホームケアワーカーを主人公とした小説だが、訳者が指摘するように、そこからはセンチメンタルな部分はすべて排除されている。そのストイックさ、そして無駄のない文体が作り出すリズムが読む者の心を震わさずにおかない。

さて、『私たちがやったこと』である。連作短篇だった『体の贈り物』とは異なり、本書は個性的な7篇からなる短編集である。表題作は、柴田元幸氏編訳の『むずかしい愛』にも所収されており、その発想の奇抜さが他の作家の短篇からは際立っていた。

小説を書くときに「リズム」を最重要視するといっているだけあって、その文章は端正で、後に残されたことばたちは小気味よいリズムを作り出す。そのリズムが奏でるのは、「人間関係」といういろいろな和音からなる音楽だ。

無駄なものが排除され、そこに男男・男女・女女の人間関係を見るとき、人間同士の真のつながりを目の当たりにしていることにように思う。
作者レベッカ・ブラウンの人間を見る、その眼差しの前に僕は立ちすくむしかない。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Rinko
形式:文庫
 表題作ではお互いの体を損なうことによって、より強く結びつこうとする
異常な恋愛関係が描かれている。絵描きである<私>とピアニストである<
あなた>は、ずっと一緒にいる<安全のために、私たちはあなたの目をつぶ
して私の耳の中を焼くことに合意した。> 相手が喪ったものを自分が持っ
ているという意図的な供依存関係を作った二人は、自己完結した世界に閉じ
こもっていく。欠落を埋め合うように体を重ねることで得られる一体感は、
麻薬のように二人を魅了するが、次第に綻びはじめた関係は悲劇の結末を迎
えてしまう。
 愛すれば愛するほど精神、身体ともにより完璧な結びつきを求めるが、求
めれば求めるほど欠乏感は増して完璧さが失われるという、堂々巡りの愛情
関係は、なんと不条理なことか。
 ほかにも狂気をはらんだ幻想的な愛を描いた短編が多く収録されている。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本との出遭いはタイミング良く訪れるから、とても幸せな自分の運命に
いつも感謝している。
この本も例に漏れず幸運に巡り合うことが出来た本。
日本に暮すものにとって身近とは言いがたいエイズやボランティアの問題、それらについて深く、広く考える機会を与えてくれる
偏りの無い、柔らかで優しい心の本です。
直後に手にすることになった「The Hours」を

幸せな気持ちで読むことが出来たのも
この本を読んだ効果だと思えてくる。

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