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秀吉神話をくつがえす (講談社現代新書)
 
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秀吉神話をくつがえす (講談社現代新書) (新書)

藤田 達生 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

出自の秘密、大出世、本能寺の変、中国大返し、豊臣平和令―天下人の虚像を剥ぐ。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

藤田 達生
1958年愛媛県生まれ。1987年、神戸大学大学院博士課程修了、学術博士。三重大学教育学部教授。専攻は日本中世史・近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 4.0 本能寺の変に限ると、光秀単独犯説のヴァリエーションへの転向か?, 2007/12/14
By ともぱぱ - レビューをすべて見る
(TOP 100 REVIEWER)   
信長亡き後のライバルや織田家つぶしは秀吉の暗黒面として多くの人が指摘しており、目新しさはない。秀吉の出自は永遠の謎であり、神話をくつがえすという程でもないと思うが、商業感覚に富み、情報を重んじかつ収集力と分析に優れた、非農業民に出自を持つことが、当時の武士の価値観に縛られたライバルを追い越す出世につながった、という推理には説得力がある。

さて、くつがえそうとする最大の神話は中国大返しだが、その前にかつて著者が唱えた将軍義昭黒幕説への批判を意識してか、著者は秀吉とのライバル争い、特に信長の四国政策の変更に追い詰められた光秀が謀反を決意し、信長死後に義昭を推戴することを構想し、早くから上杉氏等に知らせていた、という立場を本書でとる。つまり、義昭の積極的な働きかけがあってそれに応じた訳ではない、だから毛利軍も秀吉と簡単に講和したとする。私は著者が本書で光秀単独犯説を採ったと理解した。問題は光秀は義昭推戴を事前に構想していたのか、もし本当ならそれはいつかだが、これに関しては河隅忠清の手紙を最大の証拠として再度持ち出すだけで、批判に十分答えていない。逆に桐野作人氏が変の直前まで光秀は謀反を決意していなかったとする新証拠に対しては、批判する文献を示すだけである。読者に不親切ではなかろうか。

著者はただの情報(インフォメーション)と生死を賭けるに値する確度の高い情報(インテリジェンス)を区別し、秀吉の抜群のインテリジェンス収集力が中国大返しにつながったとするが、万一の場合が起きた場合の心構えはあっただろうとは「信長は謀略で殺されたのか」でも指摘されていた。今後は変が起きると秀吉が予想した確度について研究が進むことを望む。

豊臣平和令は存在しなかったとする説は新鮮だが、秀吉政権の本質が好戦的なことは朝鮮出兵の事実から明らか。総合して、星3つ半、切り上げて4つと評価した。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 視点は面白いのですが, 2008/3/15
最初の方は、興味深く読んでいたのですが、武功夜話について言及した辺りから、あれ、という感じになってきました。(確かに100%出鱈目ばかりの史料ではないでしょうが、後世の創作と思われる部分が多いこの史料を準一級史料の様に扱うのはどうかなぁ。)
秀吉の異例の出世の早さの理由を、当時の武士集団の一般常識に囚われない、貧しい非農民層出身の秀吉の、鋭敏な経済感覚にあるという意見にも、100%賛成できなかったです。(そもそも当時武士は江戸時代のような独立した階層とは言えず、その武士に作者の言うような商業(或は経済)蔑視の考えがあったのか。)
本能寺の変に対する考えも、私には桐野作人氏の方に軍配が上がりました。
ただ、今までに無い視点からの分析が多々あるように思います。ほかの方のレビューほどお勧めとは思いませんが、織豊政権時代に興味がある方は、読んでみてはどうでしょうか。
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11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 終章でがっかり, 2007/12/16
秀吉の出自について、本能寺の変の要因について、そして豊臣平和令の実質について、豊富な史実の引用、説得力のある推測や仮説をベースに、ある時代の歴史をどう見ることができるかについての優れた書籍(ここまでは星5つ)だと思ったら・・・
おわりにの「小著を執筆するにあたって気になったのは、日本史の分水嶺というべき秀吉の時代と現代の社会状況が、きわめて近似してきているということである」って????。その前の行で「制作者側に過去も現在も変わらないと言う非歴史的な前提があり・・」と述べたその著者自身が非歴史的な前提を持って、無理矢理なアナロジーをしてしまっています。
ある時代の専門家が、別の時代について発言すること、評価することは「門外漢の発言」とは質を異にします。歴史を語ることはその時代についての認識を深めることであり、と同時に、思考のシミュレーションでもあるためです。しかし、ある時代の専門家は、別の時代の素人でもあります。たとえば秀吉の時代の認識を近代に展開することは近代の専門家から見たらどうだろうという、自省・確認の作業を著者にはお勧めしたいと思います。
そうでないとせっかくの優れた本論が、ただの思いこみのトンデモに見えてしまいます。
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5つ星のうち 4.0 歴史本というより歴史哲学本でした
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