NHKの番組「こころの時代」の参考書として書かれたムック本であるが、実際の番組よりも、はるかに深く専門的に、それでいて一般の人にも理解できるような詳細さで書かれている。
副題の通り、新約聖書の有名な言葉を、旧約聖書での同様な言葉や場面での用例と比較しつつ見ていき、その共通性と差異などを検討しつつ福音の意味を探るという、興味深い主題を扱っている。
そして相変わらず著者らしい、主観的解釈に陥らず、専門的な聖書学のアプローチに則ってその作業を行なっているので、読んでいて我田引水のような気分を味わうこともない。
番組自体、全然見ていなくても本として十分に楽しめるものになっているので、是非一度読んでみていただきたい。
NHKも、こういう本は普通の本にして出して欲しいところである。