お店に持ち込んでお金だけ払って頼むのがレストア、自分でジャッキアップしてウマ噛ませて泥と錆と汗にまみれるのがDIYレストア・・・という認識をしている人には、恐らく本書で何をやっているかそもそも意味が理解ができないでしょう。その代わり、大がかりなレストアは経験していなくても、修理のために入手した純正部品が新車時のものと仕様が違うとか、当時の思い出のアクセサリーを入手したが記憶の中のそれとは微妙に違う・・・といった事で悩んでしまうような人には打って付けの本と言えます。少なくとも「こんな些細なことで考え込んでるの俺だけ?しょうもない事にこだわりすぎ?」という悩みを打ち消してくれることでしょう。 本書で追い求めようとしているのは一級のプロのレストアラーの本気の仕事でも叶わないような、細部に宿る神様をとことんまで追いかける作業です。部品の色や仕上げはもとよりネジ一本、部品のラベル一枚でも新車時の仕様との違いを知ってしまうと見るたびに気になって何か落ち着かない、そんな人なら違和感なく楽しめると思います。そうでない人には「ここまでやるのか!」という強烈なカルチャーショックとなるか、前述のように全く意味を理解できず、まるっきり無駄金を使ったと思うかどちらかでしょう。そうでなくとも「レストアにはここまでやる世界もある」と知るだけでも意味はあると思います。 ただ内容と本の厚みに大して割高なのは(いくら中身が濃い目だとは言え)否定できないので、その分は減点です。定価2,500円の価値があるかどうか?1,500円だったらもっと高得点なのですが。