本書の大部分は、ヤマト福祉財団が共同作業所の運営者を対象に行っている「経営セミナー」の講義内容に沿ったもので、「経済とは何か」「経営とは何か」と題し、市場経済の仕組みの中で、どのように利益を得ていくかという具体的な経営ノウハウが盛り込まれている。さらに、実際に障害者に対し月給10万円以上を支払い、フランチャイズを拡大しているスワンベーカリーなどの事例も紹介されている。
本書を読み進めると、著者の福祉に対する考え方や取り組み姿勢には、宅急便に対するそれとの共通点が多いことに気づく。たとえば、働く人のやる気を引き出すことが健常者や障害者を問わず何よりも重要なことと考えているし、国や地方公共団体を頼りにしすぎることもない。もしヤマト運輸と同様にさまざまな企業が経営の知恵を出し合えば、社会全体のノーマライゼーションの実現に一歩近づくことができるのではないだろうか。福祉にとどまらず、企業のあり方についても考えさせられる1冊である。(戸田圭司)
登録情報
|
「障害者にも、報酬を得られる生産的仕事を指導する」とか、
「一般消費者のニーズがある商品を作り出す」という観点はありません。
法律が細かくて、自由な発想ができない世界となっているのです。
ですから、この本を読み、「できないよ。夢物語だ」と言う人も多いはず。
しかし私は、この書で、既成概念を打ち破り、新たな福祉社会を作る
エネルギーを感じましたし、心から小倉さんを応援したいと思いました。
今でこそ当たり前の「ヤマト宅急便」も、最初は既成概念との戦いでした。
小倉さんの「愛と勇気」そして「信念」には、大変感動させられます。
「新たな時代の福祉のあり方を考え、様々な抵抗勢力を突破し、
必ず理想を実現させていきたい、福祉革命を起こしていきたい」と、
私までもが、熱く、思わせていただきました。
ここでは、実体経済としての市場経済から切り離された「福祉的経済」を厳しく批判し、障害者でも市場経済の中で、然るべき報酬を手に入れる方法を示唆している。それが財団が中心に取り組んできた、ベーカリーショップ「スワン」である。
さらに重要な点が、経営手法の中の「売る」ということである。この「売る」という作業こそが、「買い手の立場に立つ」という客のニーズを把握した上での経営上の重要点であると述べる。
以上本書は、単に福祉分野の問題点を明らかにしただけではなく、さまざまな分野、特にその効率性が問題とされている行政など、での経営手法・概念の重要性を、実に平易に示唆する良書である。
また、本書の内容はもちろん、「宅急便」で大成功を収めた後も、福祉分野に果敢に挑戦するということにおいても、著者が如何に卓越した経営者であり、ひいては社会貢献者であるかが、明らかである。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|