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福祉の経済学―財と潜在能力
 
 

福祉の経済学―財と潜在能力 [単行本]

アマルティア セン , 鈴村 興太郎
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本書の主な目的は、厚生経済学の基礎、とりわけ個人の福祉と好機の評価に関して、相互に関連した一郡の命題を提出することにある。本書の焦点は、主に福祉一般の評価、とりわけ生活水準の評価に合わせられている。

Book Description

Commodities and Capabilities presents a set of inter-related theses concerning the foundations of welfare economics, and in particular about the assessment of personal well-being and advantage. The argument presented focuses on the capability to function, i.e. what a person can do or can be, questioning in the process the more standard emphasis on opulence or on utility. In fact, a person's motivation behind choice is treated here as a parametric variable which may or may not coincide with the pursuit of self-interest. Given the large number of practical problems arising from the roles and limitations of different concepts of interest and the judgement of advantage and well-being, this scholarly investigation is both of theoretical interest and practical import.
--このテキストは、 ペーパーバック 版に関連付けられています。

登録情報

  • 単行本: 176ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1988/1/22)
  • ISBN-10: 4000020048
  • ISBN-13: 978-4000020046
  • 発売日: 1988/1/22
  • 商品の寸法: 18 x 12.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 324,346位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
アマルティア=センはノーベル経済学賞の受賞で知られていますが、彼の厚生経済学は哲学や歴史学、ジェンダー論を
はじめとする社会学など、広域で深遠なバックグラウンドのもとにできあがった理論です。
そのため、例えば「自由と経済開発(Development as Freedom)」などの著書では、あまり経済数学などを使わずに
議論を進めています。それらに比して、この本では多少の数式と、ミクロ的な用語が頻発するため、最低限の
ミクロ経済学の知識は必要だと思います。理念的なものから学びたい人は「自由と経済開発」「貧困と飢餓」
「不平等の再検討」などから読むことをお勧めします。

この本については、あまり翻訳が上手でないことも手伝って、書いてある内容以上に理解がしにくい気がします。
よくあるミクロ経済学のわかりにくいテキスト的な雰囲気も持ち合わせています。なので、ある程度の知識を
持った上で精読することが、十分な理解をする上で必要でしょう。
内容的には従来の経済学への批判が中心です。従来の開発経済学の「効用」「市場的アプローチ」などに対する論理的矛盾を
含んだままそれでも狭い範囲の中で分析を行なう「合理的な愚か者」を抽象度の極めて高い論理で批判します。

そこから先、それではどうするのか、という点については詳しくは述べられず、その後の著書に続く…という感じです。
100数十ページしかないため、難解ですがさほど読むのに時間はかかりません。また、GDPが開発経済の分析に
不充分だと証拠付けるインド・中国・スリランカ・ブラジル・メキシコの比較と、インド国内における市場分析に
あらわれない男女差別問題の具体例分析が補論として最後になされています。この本自体が古いためかなりデータが古いですが、
理解の大きな一助になります。

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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
基本文献 2007/5/15
By gene152
形式:ペーパーバック
人々の幸福を考えるには従来の経済学で用いられてきた財空間ではなく,機能空間で考えるべきであるとするケイパビリティア・プローチを説いた小冊子.基本的には大学の講義に基づいているために,内容は専門的である。しかし具体的にデータを使ってケイパビリティの考え方や応用を示しているので,そこから読むのもよいと思われます。本格的に読む際には,ミクロ経済学の消費者理論の選好関係について知識があると,理解が早いと思います.だだし論理的に厳密なものも含まれているので,根気が必要です.でも門外漢がさっと読んで理解できるような書物ではないことも明らかです.
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
形式:単行本
ノーベル経済学賞をとったアマルティア・センによる厚生経済学の小著。
本論は100pもないものだが、経済学の知識はある程度必要である。

センの厚生経済学のキーポイントは「潜在能力」である。
各人のなしうること、すなわち「機能」と、その機能を作り上げるもの、すなわち「潜在能力」とで、厚生経済学は支えられるべきである。

従来の厚生経済学は、以下の二通りの考え方が多かった。

一つは、各人の財の量でもって、福祉を考えるものである。
しかしこの方法では、手段に過ぎない財を目的と取り違えてしまっている。
財自体は重要なファクターだが、それはファクターに過ぎない。

もう一つは、各人の快楽・効用でもって福祉を考える、功利主義に近いものである。
しかしこの発想では、欲望と価値の転倒が起きている。
価値があるが故に欲望が起こるというのはまったくもって正しいが、欲望を抱くが故に価値があるというのは誤りである。

福祉において重要なのは「評価」である。
主観的で内省的な評価こそが重要であり、こうした評価によって機能は測られる。

また、潜在能力に着目する考えからは必然的に、各人の自由、選択の幅の広さ、が最大限要求されることとなる。
この選択の幅の広さを機能に組み込めば、さらに理論は洗練される。

ところどころに回りくどさを感じることもあったし、どうも難解な部分もあったが、全体としては良書である。
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