出版社/著者からの内容紹介
ときに西南戦争の勃発と民権運動の昂揚があり,内には慶應義塾の維持が困難となって,その対策に福沢は心を砕く.『民情一心』や『国会論』を刊行したのはこの時期のこと.また,高島炭鉱をめぐる岩崎弥太郎・弥之助兄弟に宛てた一連の書簡(今回新収録)は,明治14年政変前夜秘話に属する出来事として興味深い.
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、明治十年一月から十三年六月までの三年半にわたる書簡二九二通を収録する。この時期は福沢の生涯のなかでも活動に富み、社会的影響力も飛躍的に向上した時代であるが、他方において井上毅など政府官僚の一部から警戒され、摩擦を生じはじめた時でもあった。「明治十四年の政変」の前夜ともいうべき、この時期の福沢書簡には、単に福沢の伝記的研究のみならず、日本近代史像を再吟味する上からも格好の素材がふくまれているといってよい。ここでは、いくつかの書簡をからませながら、この時期の歴史過程を概観する。