佐藤きむ氏の口語訳は、敬体で大変に温かみのある分かりやすい文章です。そこが物足りない、という感も確かにあります。でも、多くの人が名著「学問のすすめ」を初編から17編まで読破することができれば、「ビギナーズ日本の思想」というシリーズとして、ねらいは達成できたと言えるでしょう。巻末の解説もおもしろく読むことができました。
そこで、お勧めの読書法として、次のような読み進め方はいかがでしょうか。1.まず本書を1編ずつ読む。2.次に、岩波文庫等の「学問のすすめ」を開き、同じ編を福澤諭吉の原文を声に出して読んでみる。
仲間と音読読書会など開くのもおもしろいかもしれません。明治のはじめに多くの人に読まれた本が、今、読みやすい形で甦り、平成の世の多くの人に読まれることは、素晴らしいことだと思います。