内容紹介
北西の風によって運ばれた放射能雲は福島第一原発から40km離れた飯舘村に「黒い雨」を降らせた。
豊かな自然に囲まれ、独自の村づくりをしてきた福島県飯舘村。この静かで平和な村から、原発事故が多くのものを奪っていった。
村の汚染度が周辺より高いことは明らかだったにもかかわらず、国はコンパスで線を引いたように同心円状の避難区域を設定。
原発から30km圏外だった飯舘村の人々の避難は、1か月以上も後になった。しかも、住宅も仕事も避難費用も、
何の補償も決められないままの避難勧告だった。
著者は3月15日以降、何度となく飯舘村を訪れ、そんな村民たちの姿を記録し続けた。
チェルノブイリ、セミパラチンスク等、世界各地で放射能汚染の現場を歩いてきた写真家が記録した「風下の村」の姿とは。
著者について
森住 卓(もりずみ たかし)
1951年生まれ、フォトジャーナリスト。1994年より世界の核実験場の被曝者を取材開始する。
セミパラチンスク、チェルノブイリ、イラク南部等、放射能汚染された地域の現状を写真でリポート。
著書に『イラクからの報告』(小学館文庫)、『私たちは今、イラクにいます』(講談社)、
『核に蝕まれる地球』(岩波書店)、『イラク-占領と核汚染』『沖縄戦「集団自決」を生きる』(ともに高文研)、
写真で見る「シリーズ核汚染の地球」全3巻(新日本出版社)など。
2011年3月11日以後、福島県内の取材を集中的に行っている。