東京電力の原発事故は地元福島県で平穏に暮らしてきた数々の人々の生活を、夢を、そして
未来をぶち壊しにした。福島県以外でも原発事故で夢や未来を打ち砕かれた人々が多数発生
している。本書は作家の広瀬隆氏、弁護士の保田行雄氏、ルポライターの明石昇二郎氏、3人
の共著である。そして福島第一原発事故の過失責任を負うべき27人を実名で挙げている。
東電原発事故を刑事事件として裁くための手法、賠償に潜む問題点、被害とは何かを細部に
わたって解説してる。特に最大の問題点は賠償スキームを加害者側で全部作ってしまったこと、
あたかも加害者が被害者に施しをやるがごときやり方をしてること、問題の本質は「被爆」な
のに東電の「補償金ご請求のご案内」には「被爆」の2文字が全く書かれてないことを指摘
している。さらに放射能で汚染されて事実上無価値になった家や不動産、農地に対する補償の
話が丸ごと先送りされている。原発の大事故は放射能汚染によって人の住めない地域を大量に
生みだしてる、そして損害賠償の基本は財産や権利が侵害される以前の状態に戻してもらう
「現状回復」であり、それが叶わないならばお金に換算してもらう、どの損害について賠償
請求するかどうかを決める権利があるのは加害者ではなく被害者であることを切に訴えてます。