福祉県知事として、反原発というのでなく、ただ県民の健康を守りたいと邁進した佐藤栄佐久氏による原発の現実。原発をめぐる地方自治体と中央官僚、巨大電力会社とのやりとりが、陽のもとに明らかにされている。知事がどんなに頑張っても、所詮、国や資本には勝てないのか、虚しくさえなってくる。とにかく推進ありきで、捏造、改ざん、嘘から騙しなどなんでもやってのける電力会社と中央官僚たち。この現実にどうにも救いようのない気持ちになってくる。
原発事故を目の当たりにし、著者の佐藤氏は、結局福島の人たちの健康を守ることができなかったと、深く傷ついておられることだろう。これは、決して東北の話ではない。全国の原発もまた同じなのだ。
本の内容紹介は他の方のレビューを御覧ください。原発問題に関心のある人はもちろん、この国に住むすべての人、必読書である。
エピローグにある「福島県民は、いま、こうして責任をとっている。」という一文に思わず涙した。なぜ、福島県民だけが責任を負わなければならないのだろう・・・。
(私は京都市に住んでいるが、福井の原発で事故があれば、琵琶湖の水が汚染されて飲めなくなるって、みんなわかっているのだろうか?)