著者の結論は政治家らしく現実的で、まずできることの第一歩から。
PPSの導入を推進せよ、ということになる(最終章)。
しかし一読者としては、やはり浜通りの歴史が興味深い。
飢饉、移民、困窮のゆえの原発の誘致、被曝……
メジャーな会津ではなくマイナーな浜通りの、
哀しい歴史に触れることができた。
またマスコミへの露出が多い双葉町町長(彼は脱原発世界大会でも
同情的な視線の元に登壇、脚光を浴びていた)、飯舘村村長、
南相馬市市長など、どちらかというとリスペクトされている人たちへの、
忌憚ない批判はさすがというべき。
現在の福島県知事ほか、地方自治体の長への筆鋒はさらに鋭い。
惜しむらくは、自らも市会議員である(あった)ことを生かした上記の記述に対し、
東電への追及の筆がいささか鈍いことである。
星一つ減じたが、それはまた別種の本で満たすべきことかもしれない。