ミステリ短編集。以下の四編収録。
マックス号事件
失われた灯
相棒
プロジェクトブルー
福家警部補シリーズの第二弾だそうです。第一弾『福家警部補の挨拶』は未読ですが本作だけで十分楽しめます。
題材は豪華客船、警備会社、脚本家、骨董品、漫才、フィギュアなどさまざま。
全作倒叙形式。作品冒頭で犯行の様子が描かれ、主人公が現場のわずかな手がかりから犯人を追いつめてゆくというやつです(刑事コロンボとか古畑任三郎のパターンね)。
主人公の福家警部補は小柄で眼鏡をかけた若い女性。犯人との最初の対面の場面では刑事と分かってもらえず軽くあしらわれる、というのがお決まりの微笑ましいパターンとなっています。だけどその後徐々に犯人を追いつめて行くとぼけていながら鋭い感じは、まさにコロンボ、古畑の系譜上です。
軽く読めますが、軽く読むのがもったいないくらい細部はリアル(と思わせる)で、秋の夜長一編ずつゆっくり楽しみたいですね。シリーズものとして長く書きつがれ、テレビドラマ化されることも望まずにはいられません。単発ではNHKですでにドラマ化されているそうです。主演は永作博美。読んだ人は思わずにやりとするキャスティングじゃないでしょうか。