神道の本というのは、どれも読んでいて(多かれ少なかれ)とらえどころのない苛立ちのようなものを感じるものだが(多分どの本も著者の主観が強すぎてついていけなくなるのだ)、本書を読んで全くそうした焦燥は感じなかった。
それどころか、読み進むにつれ、今までバラバラだった神道の知識が自然と整理され、漠然としていた神道のイメージがくっきりとした輪郭をもったものとして立ち現れてくる興奮すら感じた(要するに、日本列島に生きたわれわれの先祖が何を畏れ敬っていたのか、というようなことが具体的に分かった気になってくるのだ)。
神道の歴史についてであれ、篤胤や宣長などの神道思想についてであれ、文章が具体的に書かれているからだろうか、とにかく、今までになかったタイプの神道本だと思う。