この事典はフェミニズム、比較神話学、比較宗教学などの手法を駆使
して、神話・伝説、宗教、文化に秘められた女神・女性崇拝の歴史を
論じている。私が女性であるが故に共感でき、勇気付けられる…そんな
記述もあり、読みながら何度も首を縦に振った。この事典には、かなり
強引且つ偏狭と思われる説も散見され、また、少々短絡的な一神教叩きと
多神教賛美に終始するきらいがあるようだ。(私がキリスト教に傾倒して
いる故に、そう思えるのかもしれないが。)とはいえ、一つの視点からの
一つの解釈として、独自の解釈として、実に興味深いものがある。更に
この事典では、神話・伝説や宗教の様々なモチーフの起源にも触れられる。
「成る程、こういう考えもあるのか」と思いつつ、読むのがいいだろう。
他の神話事典と併せて読めば、一層、この事典の存在意義も高まるだろう。
「視点を変えれば、また違ったものが見える」という事が、改めて実感
できるし、何より、視点切り替えの大切さと面白さを学べるからである。