本文は詩の形式で、行数も文字数も少ないですが、翻訳した際の言葉使いがとても綺麗だと感じました。またギリシア神話の最古の叙事詩の一つなので、後世の混乱した神々の系譜図にはないすっきり感があります。神々の名前や地名なども、母音の長短を無視してあって(例:ヘーラーではなく、ヘラ)、横棒線がページを食って邪魔くさいと感じる方にはお勧めです。逆に母音の長短が気になる方は、索引にアルファベット表記があるので補えますし。
更に言えば、本文は本の半分ほどで、後半は訳注、解説、系譜図、索引になっています。そのうち特に訳注はわかりやすく、アポロドロスの書などを参照に、よく注釈されていると思いました。ギリシア神話の初心者にも、また既に何冊も読破している上級者にも、お勧めの一冊です。