理屈では解決できない苦しい状態、馬鹿馬鹿しいけれどやめられないという状態に関して、著者の卓越した観察力と、治療者の日記への言葉に舌を巻きます。発言は厳しいが、軽蔑されているとか
決して責められている気がしない。
癒しの本というのは、著者が手をさしのべてくれる、あたたかさと、本を読んでいる時は安らぎがありますが、この本の場合は著者の存在よりも、神経症者が1人で自分から現実の問題に立ち向かいたくなる、わくわくした高揚感があります。(でもご存命ならきっとお会いしたくなったと思います)大正末期から昭和初期の時代ですが、今より世間体や自己について厳しい目を向けていたであろう人の神経症は、さぞ苦しかったことと思います。非常に苦しい時間を伴うけれど、自分で解決できるというのは幸せだと思いました。神経症にかかったことのある方は、ぜひ読んでいただきたいと思いました。