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あくの強い映画を作ってきたアルモドバル監督の作品群の中では、この一本は最も分かりやすいと感じることができるコメディ映画です。
不倫相手が疎遠になってきたことに苛立ちを覚えるペパ。そのペパのもとへ不倫相手の正妻や、テロリスト事件にかかわってしまった友人など、ひとクセもふたクセもある登場人物たちがかかわってきます。
ドタバタコメディの部類ではあるのですが、この映画を何度も見直すうちに、実はこれはペパの言い知れぬ孤独感を笑いというオブラートに包んで私たちに提示している物語だということに気づきました。ペパをめぐる一連の騒動の末に、彼女のもとに残ったものが何かということに思いを馳せると彼女の寂寥感がより鮮明に感じられるのではないでしょうか。
そして私は彼女の心に自分の心を重ねて、何かぽっかりと穴の開いたような欠落感を否定することが出来なかったのです。
それでも彼女は明日も自分のアパートから朝日が昇るのを見るでしょう。人生はリセットはきかないけれど、今日までの出来事をバネにするだけの力がペパにはあるに違いないという気にさせてくれます。エンディングはとても爽快感のあるものだと私は考えるのです。
なお、DVD版ではスペイン語の字幕表示も可能ですから、スペイン語のヒヤリングの教材にも使えると思います。
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