日本神話を知れば知るほど、なぜ学校でこんな魅力的なことを教えてくれないのだ、という一種恨みに似た感情が沸き起こらざるを得ない。
日本の歴史に密接に結びついているこの神話群は、いや、日本の歴史そのものであるはずだ。戦後教育のひずみを心から恨む。
神社本庁監修と言うからもっと紋切り型な、受検のテキストっぽい物を想像していたがとんでもない。かゆい所に手が届く、日本のスピリチュアリズムの興りや神道の祭りや風習における起源の詳細まで解説が及んでいる、そしてそれらが今現在の日本のどの地域で受け継がれ、連綿と営まれているかということまで言及されている。単なる「検定」テキストではない。
もちろん、学習用のテキストとしても良くできている。キーワードを上部に掲げており、章ごとのまとめが簡潔にして秀逸。例えば国生みの章の後には、まとめの部分としていざなぎいざなみのみことの生んだ神々のリストが、かぐつちの惨殺によって生まれた神々のリストが斬られた体の部分ごとに見やすく記憶しやすくリスト化されているなど。
だが、そう言うことより何よりも感心するのは、筆者が誰だかわからないがこれら日本の伝統に対する愛情に満ちていることだろう。
連綿と現在まで続く日本の伝統に対する崇敬の思いだ。
神社本庁、恐るべし。見直したぜ。読んで良かった。