全国の様々な神社について、その相互配置には「自然暦」という考え方から生まれた見事な設計があるのだというのが著者の主張。最初はとても興味深く読み始めたのだが、進むに連れて次第に不満が多くなった。
ある神社同士を結ぶと、夏至の日の入りの方角になるとか、当時の日の出の方角になるとか、そういった位置関係を次々に暴いていくのだが、そこで提示されている図が、マンガ的にごく簡略化された地図だけである。実際の地形図の上で角度を正確に測ったら本当にこの通りの角度になるのだろうか、と疑問を抱かずにおれなくなった。編集者の判断ミスかもしれないが、もっとリアルな地図(地形図のような)の上で正確な角度を示した図を載せた方がよほど説得力があったと思う。
本書のキーワードになっている「自然暦」そのものについての考察に乏しい。ある神社と別の神社の方位関係に何か特別な法則があったとして、それが宗教的にどういう意味をなすのかという部分の考察がなく、ただひたすら次々に事例が述べられていくことについていけなかった。
これらの結果として、作者がこじつけでそのような角度・方位を見出しているだけではないのかという疑問を消すことができなかった。