自分の能力以上に一生懸命頑張る女の子に、影からサポートしてくれる男の子が好意を寄せる(この場合は主従関係だけど)なんて、完全に少女マンガの王道だ。しかしこの物語は設定が特殊で面白い。人間でありながら土地神に任命された主人公、奈々生の神様修行を助ける、狐の神使、巴衛。ツンデレタイプの巴衛に当たり前のように惹きつけられる奈々生の恋は、気持ちだけではなく物理的にも前途多難であるものの、6巻まできてようやく巴衛の態度に変化が。頼られなくてつまらなく思ったり、告白と他人が聞けば思えるような一言を発した自分にドキッとしたりと、読者が思わずニヤリ顔になってしまう変化だ。
物語も出雲の神議り行き切符を巡って、現人神と呼ばれる少女、香夜子との一騎打ちという盛り上がる展開に、わくわくしながら一気に読めた。香夜子の心の闇を受け入れて救えるのは、やはり奈々生が選ばれた少女だからなのか、無欲な少女の心を込めた働きに周囲も惹きつけられる。頼りになるかわいい式神も登場し、いよいよ次巻は出雲神議編。どんな珍妙な神々が登場するのか、妨害工作はあるのか、非常に楽しみだ。