強さ、静かさ、暖かさ、・・・巨きな木、に何かしらを感じる人は少なくないだろう。私もおおきな木は好きで、旅先で出会ったときなどには挨拶をしたくなる。私の場合、特に「神様」と思うことはないのだが、自分たちよりずっと昔からそこに生きている先輩のようなものとして、時々彼らに会って話をしたくなる。
週刊誌サイズの写真集。全国の巨木の中から関東周辺(栃木や新潟、静岡あたりまで)の巨木が地図や大きさなどのデータつきで紹介されている。どれも幹周数メートル、樹齢は数百年以上。一千年を超えるようなものまである。うっそうと茂る森の中にあるもの。赤い鳥居や注連縄に守られているもの、ビルを背景にしているものも、どの木もそれぞれに美しい。つい時間や歴史、命といった、日常の雑音から離れた考えに連れて行ってくれる空間が、写真からでも感じ取れる気がする。
前書きにも触れられているが、巨木の環境は良いとは言えない。開発により移転されたり、残されたとしても周囲の変化でり勢いが落ちていくものもある。珍しいと紹介されることで人の訪れが増え、そのことで枯れてしまった木もある、というのはとても悲しい。
この本を見て、会いに行きたくなる木がたくさんあった。でも、よほどのことなければ、わざわざ会いに行くのはよそう。
「ふるさとは遠くにありておもうもの・・」のような心境で。
掲載されているほどの名木でなくても、身近に「よい木」はたくさんあると思う。小学校の校庭には思い出の木、近くの公園には「となりのおじいちゃん」のような木があるかもしれない。親しいそんな木と触れ合うことからはじめては?そんなことをこの本は提案してくれている気がする。
だから、本だけ買って、会いには行かない。