TRPGについての説明は省かせてもらいますので、詳しく知りたい方は
神曲奏界ポリフォニカRPG 基本ルールブックをどうぞ。
この作品はTRPG「神曲奏界ポリフォニカRPG」のリプレイなので、普通の小説とは少し違います。
本文のほとんどが
ローゼ:ちょっと、色々理由がありまして……。
GM:「いまはそれを聞いているヒマも余裕もまったくないから説明はいいわ」
ローゼ:あ、はい、すみません(笑)。
のように「キャラ名:セリフ」という形で書かれています。
キャラのセリフの中には演じているプレイヤーとしての発言も混じるので、初めてTRPGのリプレイを読まれる方はとまどうかもしれませんが、臨場感が感じられて面白いですよ。
物語の主役はトウヤ神曲楽士事務所のメンバー、天才サムライ楽士ティアン、白熊型上級精霊バーセル、仮面の美少女所長ローゼ、口うるさいオウム型中級精霊ネルと個性派揃い。
遺跡で発見された謎の石棺を運び出す仕事を請け負ったことで、ティアンの家系にまつわる事件に巻き込まれていきます。
場の発言だけでは補えないところが普通の小説のように数行書かれているところがちょこちょこあって、これが物語を一層盛り上げてくれます。
フォーカスシステムという「神曲奏界ポリフォニカRPG」独自のシステムも面白かったです。
ただ、発言の中で「○○先生」とプレイヤー名を呼ぶところは興ざめです。
第一話はTRPGならでは、GMの想定外の展開が感動のラストに繋がります。
不屈の闘志で立ち上がるティアンはさすが主人公、かっこいいですが、後で考えると神曲楽士が肉弾戦というのはあんまりポリフォニカらしくないのでは。
普通の小説と違いTRPGという場の楽しさが充分伝わってくる一冊です。
これがきっかけでTRPGに興味を持たれたら、気の合う仲間とプレイしてみては?