本書で完結となる炎帝の紋章編の下敷きとなった
キネティックノベルもそうだが、やはりマーヴェラスの印象が強い。
人の最大の愚行である戦争、もはや敗色も濃い祖国の人々に陥れられ、大罪をなすりつけられて処刑されるまさにその時に、未来の人々と精霊たちがマーヴェラスを助けにやってくるが、意を決した彼女はその助けを断る。
彼女は言う。人の世のことは人の手で決着をつけるべきだと。なぜなら、人は必ず間違いから何かを学び取ることが出来ると信じているからだと。
そんな彼女のいまわの際の言葉と、彼女が斃れた後のすさまじい悲劇は、フィクションと現実の境目を越えて読者に突き刺さる、鋭い剣の輝きだ。
そして、そんな過去を精一杯生きた彼女の想いに触れたスノウたちの祈りのような四重奏が、後世の人々や精霊たちを浄化していくクライマックスの美しさにも、目を見張るものがある。
後日談でもある書き下ろし短編『プロデュースド・ホワイト』、コメディと牛で癒されつつあれ?ジョッシュってリシュリーと契約してたっけ?と思ったけど、『
アニバーサリー・ホワイト』を読み返して納得。