待望のダン・サリエルシリーズ第三弾。
今回は未曾有の大スランプに陥ったサリエルの苦悩と葛藤(という名の悪あがき)、アーティストなら避けて通れぬファンとの距離感を綴ったお話、アマディアの成長が窺えるお話の三編が収録されてます。どれも面白かった!
今巻はサリエルのデレ全開。傲岸不遜唯我独尊、俺様音楽家サリエルでも不調に苦しむ事がある。スランプから抜け出す為にイメチェンを繰り返すも上手く行かずドツボにはまっていく姿がユーモラスに描かれます。あの挿絵は反則だ……!
と、コメディっぽく描かれるのですが、互いを思い合うサリエルとモモの絆にじんわりくる。とことんまで追い詰められもうどうにもならなくなった時、サリエルが下した苦渋の決断とそれに対するモモの言葉が―……
いい!素敵!モモのサリエルへの理解、信頼がいじらしくて胸が熱くなります。
サリエルの「お礼」も必見!
表題作はアマディアを兄が迎えに来る話。この兄というのがサリエルに匹敵するエキセントリックな人物で強烈な存在感を放ちます。
彼の言う事も正論。アマディアがしてる事は結局甘え、義務を果たしてないという指摘はどこまでも真実。落ち込むアマディアに対し、師であるサリエルが仕掛けたドッキリとは……
自分がしてることは甘えだと痛感しながらも引かないアマディアの成長ぶりに「逞しくなったなあ」と親心で感動。サリエルの不器用な優しさと粋なはからいにもぐっとくる。最後のカルテットシーンは奏でる音楽が耳に届くようで夢見心地、これまで出てきたキャラが総出演する豪華な内容になってます。
あとがきによるとシリーズはこれにてひとまず終幕とか。
正直惜しい!不定期でいいからまだまだ続けて欲しいってのが本音です。
サリエルやモモ、コジやアマディアに再び会える日を願って……