AKB48に関する云々はこの際説明不要。というか、僕は未だに前田さんと大島さんしか顔と名前が一致しない(追記:ちなみに最近、渡辺さんと板野さんと峯岸さんと宮澤さんも何となく一致するようになってきた)という、全くのAKBど素人。
とにかく、何にせよ、この良盤をレビューするうえで「アイドル」だの「市場」だのという話は、はっきり言って邪魔くさい。
僕の職場では、職場(学校)の性格上、彼女らの曲がよく流れる。今回も、ウチの生徒会でAKBの曲を使うという理由で購入したまでだが、改めて腰を据えて楽曲に耳を傾けると、たくさんのレビュアーさんの評に違わず、クオリティの高さに驚く。
特筆すべきは「10年桜」と「大声ダイヤモンド」。前者に関してはブリッジごとの転調や要所のコードワークなどから、作曲者(井上ヨシマサ)のかなりの技巧派ぶりが垣間見える名曲。後者はサビのアタマ「大好きだ」の譜割りが実に爽快。あれだけで楽曲全体のクオリティが2段階上がっている。
このアルバムがここまで良く聞こえるのは、作曲者が「AKBのボーカルコンセプト」をしっかり受け止め理解してコンポーズしていることに尽きる。昨今のモーニング娘。の楽曲に散見された「つんくの価値観の押しつけ」みたいな雰囲気はない。現在のAKBの「若さ・勢い・ポップ」という明瞭な方向性にうまく彩りを添えるような作り方は、ホントに好感が持てる。加えてこの完成度。全曲通して(「桜の栞」以外)勢いをどんどん加速させるようなビートワークも素晴らしい。
「『神』はさすがに誇張しすぎでは?」という意見も見られるが、彼女らが長い時間をかけて土台を築き上げてきた場所、そしてファン層を顧みれば、十分納得できるネーミング。いいじゃない、若さがあって。
10代の女の子の等身大の歌詞(これが秋元康の一番すごいトコ)と、それを歌い上げるボーカル十数名(もしくは数十名)と、それを最大限に演出する佳曲。この神懸かり的なバランスが崩れない限り、AKB48の快進撃はそう簡単に止まらない。