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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
警視長、一人でいて!,
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レビュー対象商品: 神学校の死 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (新書)
ダルグリッシュ警視長シリーズ第12作。またも人里離れた場所、全寮制の神学校で起きた殺人事件。彼自身も聖職者の子として育ったダルグリッシュは、死んだ生徒の父親の圧力で、現地に派遣される。そして起こる第二の殺人。 閉鎖された空間、人里離れた場所、若者の集団・・・ジェイムズお得意の舞台と道具立てで、ダルグリッシュが今回も静かに奮闘。そしてまたも、ラストにはお約束のアクションシーン(頭脳派かと思いきや必ず大詰めはダルグリッシュが体を張るのがパターン、これがなかなかにニクい)。彼のファンなら間違いなく満足できる作品。 そして、妻と子を出産で一度に亡くし、最初の事件『女の顔を覆え』で出会った女性とも自然消滅?してしまった、女性に縁のない彼にも、この作品では新たな出会いが・・・(ファンとしてはかなり複雑な心境だ。)
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
独特の雰囲気,
By 伊原 賢 "TWISTANBUL" (横浜市港北区新横浜) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 神学校の死 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (新書)
閉鎖的社会という神学校内での物語を、独特の人物描写や情景描写で、とても上手く表現されていた。実は、最初はカーのような展開を想像したのだが、非常にシンプルですっきりしていて、ミステリーというよりは英米文学のようだった。ダルグリッシュ警視の悲哀がこの物語を一層引き立てている。長いけれども一読の価値は大ありです。
7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
英国を舞台にした人間絵巻を楽しむ,
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レビュー対象商品: Death in Holy Orders (ペーパーバック)
本来ならイギリス女性推理作家・PDジェイムズを読むことはなかったかもしれないのだが、この『神学校の死』だけは興味を持った。つまり、イギリス国教会についても小説を使って勉強することができるかもしれないと思ったからである。 イギリス聖公会について、殆どの人は何も知らない。知っているのはヘンリー8世が離婚をするためにローマンカトリックから分離した、という表面的なものではないだろうか。 などなどといった小説に散りばめられている事項を、ひとつひとつウィキペディア(無料で利用できるネット百科事典)で調べていった。 イギリス国教会について知る以上の収穫が、しかし、あった。それはこの女性作家の小説が読む価値があるということを発見したことである。推理小説としては推理は全く必要ない。ミステリーとしても、行き詰るようなサスペンスは全く無い。しかし、全編を通じて流れている『死にいたる存在としての人間』というタイトルの通奏低音が、なんとも心地良い。 著者は44歳で夫に死別している。この死別(bereavement)が通奏低音、あるいはメインメロディーになっている。これを軸として、犯罪を起こす人間のエゴイズム、人間の醜悪さ、それと対比される愛と友情と敬愛、更にそれに対比する欲情と堕落、またまたそれに対比する信仰……。人間の美しさと醜さを大きなキャンバスに、落ち着いた揺るぎのない筆致で描ききり、壮大な人間コメディー(喜劇ではない)、バルザックと同じことをやっている、それがこのジェイムズというイギリス女性作家である。
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