著者の持ち前の豊富な知識に裏打ちされた、秀逸なアイディアの勝利と言えます。読書中は、とにかく先が気になり、時間を見つけては読み進めて行きました。その意味で、私にとって、面白い作品であったことは間違いありません。
読後感では、メインのSFアイディアに比べてストーリィ(小説部分)は、やや凡庸か、それ以下といった感想でした。科学以外の新学説も、特に、経済分野に関しては根本的に基本原理を理解されていない向きもあり、この辺は、文脈から「画期的な新施策」であったと頭の中で置き換えて読み進める必要があります。(実経済を体感している社会人・金融関係者には、少し辛いかも知れません。)
総じて、ガードナーやセーガン好きの読者なら、単に科学エッセイとしてだけでも十二分に楽しめることは請け合います。