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神はダイスを遊ばない (新潮文庫)
 
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神はダイスを遊ばない (新潮文庫) [文庫]

森巣 博
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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 「人は負ける。いつかどこかで必ず負ける」。大切なのは、その負けをいかにして「打たれ越」して、破滅しないでいられるか。これは、主人公の「私」の勝負哲学であり、生活行動を律している信条である。

   主人公は著者の分身とみていい。「私」は、オーストラリアを拠点にしている「常打ち(じょううち)賭人」である。要するに賭博でメシを食っている。そんな「私」がひいきのカシノで、若いが腕利きの女性ディーラー、ミーガンと知り合う。彼女の夢は「私」のような常打ち賭人になること。ある日彼女は、「私」にその夢の実現を相談する。私は博徒の苛酷さと無慈悲さを説き、やめさせようとするが、彼女は聞き入れない。常打ち賭人とは、「負けることを受容する」賭けをし、惨敗しても生き延びることに執着する人種なのだ。

   私の心配をよそに、ミーガンは驚異的な勝ち星をあげていくが、そんな彼女の前に1人の男が立ちはだかる。ディーラー時代、彼女にしつこく言い寄った男だ。彼の挑戦を受けた彼女は、しかし一敗地に塗れ、身体をもてあそばれる。はたして、彼女はリベンジできるのか。「私」が仕掛けた乾坤一擲の勝負の行方は?

   雑誌連載時のタイトルは「打たれ越し」。文字どおり「打たれ、打たれて、打たれ越せ」というフレーズが、文中に繰り返される。このリフレインが、読んでいる間も読了後も、パーカッションのリズムのように強烈に響いて、快感となってくるのだ。その勝負哲学のリズムに、身を任せてみるといい。(文月 達) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

私は豪州を拠点にする「常打ち賭人」。知り合いの美人ディーラーが博奕場で凌辱された。一歩引けば、そこは奈落の世界。ふたりが仕掛けた乾坤一擲の大勝負の行方は?「人は負ける。いつかどこかで必ず負ける。大切なのは、その負けをいかに打たれ越すかだ」。カジノという非日常空間で蠧く魑魅魍魎たちを圧倒的なリアリティで活写した、阿佐田哲也を超える賭博文学の最高峰がついに誕生。

登録情報

  • 文庫: 435ページ
  • 出版社: 新潮社 (2003/11)
  • ISBN-10: 4101284318
  • ISBN-13: 978-4101284316
  • 発売日: 2003/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 332,953位 (本のベストセラーを見る)
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By koz19
形式:文庫
前著「ろくでなしのバラッド」が、世界中の「カシノ」と賭人、そして多種多彩なゲームを素材にして、ギャンブルの世界を網羅的に描いたのに対し、本書は「牌九(パイガオ)」というやや耳慣れないゲームと、メルボルンのクラウン・カシノという舞台にスポットライトを絞り、そこで繰り広げられる人間模様を軸に据えて、より「物語」として仕上げられた作品になっています。

仕上げ方は異なれど、テイストは前著の良さが踏襲されています。おおよそ単なるギャンブラーではないであろう各国文化への幅広い見識や高い教養を、独特の辛いユーモアで繰るんだ筆致はそのままであり、ギャンブルを知らなくても楽しめます。「牌九(パイガオ)」が中心でありながらも、ギャンブル全般に関する裏話も豊富。例えば、売上金の総和から主催者の取り分を差し引いた額を、馬券の総量で割って配当を決めるという、一見何不自然でなく見える日本競馬のルールが、実は国際的には(悪い意味で)異質であるなどといった雑学的かつ有用な知識も得られます。

しばしば本筋から話が飛び散る嫌いはあるものの、全体にスピード感ある構成でまとまっているので、気にはなりません。ギャンブルをするしないに関わらず、多少なりともこの世界に興味のある方であれば、きっと楽します。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Mr. D
形式:単行本
博打のバの字も知らない人間でも存分に楽しめます。単なるギャンブラーのエッセイではありません。洋の東西を問わず、心理学から中国故事まで多彩な名言格言を引用しつつ、辛いユーモアもたっぷりに交えて描かれたこの本は、娯楽作品でありながら、賭場・賭博・賭人の本質に鋭く迫る学術書でもあり、哲学書でもあります。カシノを舞台に錯綜する、全く美しくない、真実の、しかし矛盾だらけの人間性に、ページを捲る手は確実に、着実に速められ、日常に埋没しがちな私などは、すっかり賭博という非日常に誘い込まれてしまいました。「必読」、でしょう。
このレビューは参考になりましたか?
By taizen
形式:単行本
フィクションとノンフィクションが混ざり合った、とても面白い読み物(?)だと思います。
そして、ギャンブルに真剣に取り組んでいる方(ただし、運の要素が少ない実力で勝敗が決まるものに限ります。麻雀はマル、パチンコはペケです。)にとっては、とても価値のある本だと思います。
ギャンブルの真髄を、これだけ面白い語り口で描写した本はなかなか無いと思います。
ギャンブルの世界で勝者となるためには、何が必要か? 悩んでいる方は、是非この本を読んでみてください。
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