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神はなぜいるのか? (叢書コムニス 6)
 
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神はなぜいるのか? (叢書コムニス 6) [単行本]

パスカル ボイヤー , Pascal Boyer , 鈴木 光太郎 , 中村 潔
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,990 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

宗教とはなにか。宗教は、なぜ、どのようにして生まれたのか。なぜ、すべての社会には宗教があり、一見奇妙に思える信仰や儀式が、現在も行なわれているだろうか。文化人類学、認知科学、進化生物学、進化心理学などの最新の知見を駆使し、ヒトの心の進化に焦点を当てることで、宗教の謎を解き明かす。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ボイヤー,パスカル
パリ生まれ。1983年パリ大学ナンテール校で博士号取得。ケンブリッジ大学キングス・カレッジ、リヨン大学を経て、2000年よりワシントン大学(セントルイス)教授。専門は文化人類学と認知科学

鈴木 光太郎
1985年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、新潟大学人文学部教授。専門は実験心理学

中村 潔
1989年東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。現在、新潟大学人文学部教授。専門は文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 474ページ
  • 出版社: NTT出版 (2008/03)
  • ISBN-10: 4757101740
  • ISBN-13: 978-4757101746
  • 発売日: 2008/03
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.8 x 4.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
まず一、二章で本書で扱う宗教的概念とは何かと、「なぜ宗教は今あるような形であるのか?」という基本的な疑問を提示する。そして従来の宗教の起源の説明を再検討する。三章では認知心理学、進化心理学のおさらい。四から八章まで神、道徳、死、儀礼、暴力などをなぜ宗教がしばしば扱うかを検討している。最終章ではなぜ人は信じるかという一般的な話題と全体のまとめ。

ボイヤーは従来の記述・解釈を中心とした宗教学では手におえなかった謎が、実験心理学、認知科学や進化生物学の発展によって、「どのように概念は伝えられ心の中に定着するのか」という視点から論じることが可能になったと主張する。たしかに宗教のような人間行動はソフトだけから論じても限界がある。深く理解するためには脳(認知能力)というハードの理解が不可欠なはずだ。

後半になるとやや強引であったり結論を急ぎすぎていると感じる部分もある。例えば死や道徳に関する議論は「どのように進化してきたか」の推測に終わっており、認知とは別の議論になってしまっている。しかし全体としては積極的に根拠を示して論じている。「デュルケームは○○と主張した」と言うような先人の発言を議論の根拠として挙げるタイプの宗教学には不満だったので、この点には大いに評価したい。不足している箇所はこれからさらに明らかになっていくだろう。

全ての宗教研究がこの方向から行われる必要はないが、ハードの理解と自然科学のより強い実証主義は宗教の理解の大きな助けとなるだろうし、それらの理解に欠けた次世代の宗教研究者は厳しい淘汰圧にさらされるのではないだろうか。
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By kogonil VINE™ メンバー
形式:単行本
フィールド経験も豊富な人類学者による、宗教全般についての徹底考察です。
認知科学や進化生物学を援用しています。

個人的にはD.スペルベルの感染理論の援用が面白かったですが。

なぜ心霊とか神とかの観念があるのかから何で信じるのかに至るまで、原理的なところで
宗教の有様を考察しています。基本線は、人間という生き物が進化の過程で獲得してきた
認知回路の作動様式に寄生する形で繁茂した一連の観念群というもの。

非常にエキサイティングなんですけども、次の2点の疑問が、かえって本書の考察方針の社
会科学全般にとっての有用さを物語っているかと。

その1:進化の過程で獲得してきた認知回路の作動様式に影響されているのは、何だってそ
うでしょ?。だから、本書の考察は、宗教に関連する諸問題への想定される回答にとっての
「必要条件その1」でしかなく、他の諸社会科学の考察がまさに必須であることを示してい
ます。かえって、今後、社会科学が宗教を考察するにあたって、本書の考察内容には踏み込
まなくて良いということがはっきりした点で、大きな成果かと。

その2:「神の見えざる手」や「意図せざる結果」を持ち出すまでもなく、進化の過程で獲得
してきた認知回路の作動が有益だった生存環境(狩猟採集のバンド社会)はすでになく、我々
は個人の振る舞いと社会の帰結の関係が見通せない、大規模で複雑な社会に生きています。
とすれば、今後の社会状態の最適化を意図するにあたって、自然な情緒的印象は、不適切ど
ころか、かえって政策の足を引っ張る可能性もあります。
つまり、進化生物学的研究は、正しく研究計画を満了した暁にこそ、無用とされるのでは?

そんなわけで、今後の社会科学の探求の方向性は、こちらではない、ということが明確に
なっただけでも、非常に有益な一冊ではないかと思われます。
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