ヨーガ実践者の必読書の一つ「バガヴァッド・ギーター」。
「インド古典は,読みたいけれど,読みにくい」と思われていた常識を,
心地よく裏切ってくれる名訳。
(1)本文が5行程度ずつのかたまりになっている。
かたまりごとに映像が頭に浮かぶため,内容が心に染みる。
かたまりごとにマイペースで読み進められる。ときには読み返すことができる。
したがって,自然と理解が深まり,納得してから次に進むことになる。
(2)ページが上下2段になっており,上段に本文,下段に注釈という構成。
本文と注釈を行ったり来たりするもどかしさが全くない。
そもそも,本文が日本語として大変吟味されていて読みやすいため,
注釈を見る必要がほとんどない。
(3)訳者は旭川生まれの主婦。
朝日カルチャーセンターにて,ヒンディー語講座を受講しながら,
コツコツと自宅の食卓で翻訳に取り組んだ。
学者や大学教授ではない,一人の主婦が「ギータを学びたい」という一心で,語学を習得し,
翻訳に漕ぎつけたということに,胸を打たれる。
これらすべてがあいまって,
「私たちはどう生きていくべきか」を深く考えさせる一冊になっているように思う。