やってくれた。やってくれたよ。とてつもなく面白かったよ。
静かに胸に迫るラストまで、二度泣いた。
スパイ冒険物の趣きだった1巻から、2巻では戦争小説になる。
ナチスのエリート将校アルベルト対カトリックの抵抗者、修道士マティアスという図式が、
戦争を挟むことによって、一転するのだ。
その鮮やかな構図の逆転が面白い。
なぜ憎み合っていたはずの二人が、協力し、ともにローマを目指すことになったのか。
アルベルトは出世頭から転落し、コミッサールの虐殺部隊として、
マティアスは司祭への道を志し半ばで断たれ、国防軍の衛生兵として、
どん底で誰に救いを求め、なにを救おうとするのか。
隣人も自分も容易に悪魔たりえる時代に、人として生きることがどういうことか、
対照的な二人の主人公を配置し、重層的に描かれている。
本当に、まさかまさかの衝撃の真実が明かされて、
思わす1巻を読み返して伏線を確認してしまいました。
ずっと心に残る歴史人間ドラマとして、ミステリとしてもオススメです。