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神の手(下)
 
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神の手(下) [単行本]

久坂部 羊
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

安楽死は慈悲か殺人か! 日本版ポストマ事件をめぐる医療の世界の光と闇。現代医療では、安楽死の問題は避けて通れない。法律では認められていないが、それに近いことが、現場ではさまざまな形で密かに行われている。安楽死は慈悲か、殺人か。それを行う医師は「神の手」を持つのも同然である。安楽死法の制定をめぐって、医師、患者、政治家、官僚などが、それぞれの思惑から闘いを繰り広げる。安楽死法が制定されていちばん得をするのはだれか。医療の世界の光と闇を、余すところなく描く。

内容(「BOOK」データベースより)

敵対する医師会を解散させ勢力を拡大する医師組織JAMAと後ろ楯大物政治家・佐渡原。両者の思惑どおり安楽死法は制定に向かって邁進した。が、やがて発覚するJAMA内部抗争と代表・新見のスキャンダル。次々に抹殺される、核心に近づく者たち。そして発表された安楽死専用薬ケルビム。すべてを操る“センセイ”の正体とは?戦慄の真実。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

登録情報

  • 単行本: 360ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2010/5/25)
  • ISBN-10: 4140055847
  • ISBN-13: 978-4140055847
  • 発売日: 2010/5/25
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
今さらだが、書きたいことを書きたいように書ける場所、というのを探すのは、今、世の中に訴えたいことがある者にとっては至難の業のようだ。
前作の「まず石を投げよ」で不完全燃焼ぎみだった著者の主張が、ここにすべて出ているという感じ。
これまで「廃用身」で脳疾患、「破裂」で心疾患に対する過激な解決策を提示してきた久坂部氏が、今回は若者のがんを例に挙げて「安楽死」に対する問題提起と解決策を示してきた。
同じ医師作家として海棠氏の作品も好きで読むが、真剣さ及び解決策の具体的なところはこちらが断然上である。
個人的なことを言えば、私はアレルギー性の喘息持ちであるから、医者には「喘息で死んだやつはいない」と言われても(とんでもないわな)、小さいころから「死ぬとき」を考えてきた。
テレビなんかで家族に「今までありがとう」的なことを言って微笑んで死ぬ場面を見るにつけ、自分にはできないなーと真剣に悩んできた者にとって、これは魅力的な提言だ。
まあ、夫も子どももいない身なので、病院でだれかに看取られて死ぬ確率はかなり低いわけだが、こういう薬が本当に承認されたらと思う。
満足。
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生→死 2012/1/7
形式:単行本
現役医師の本だから医療の現状をリアルに示している。

医療は両刃の剣。
延命治療をした結果『死ぬ時期』を延ばし苦しむ患者、逆に喜ぶ患者。

どの人間にも平等に与えられている『生』と『死』。
産まれる事も、死ぬ事も逃げられない。

エゴを通すならば、
死に向かっている生に対して行っている医療ならば思考と言葉を持った人間に生まれた以上は『良く生きて』から『良く死ぬ』事を選びたい。と思う。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ナカ
形式:単行本
生命のあるものには必ず「死」が存在する。ラストシーンでM氏が白川に手渡した新薬。含みのある小説の幕引きであった。
十人いれば十人の考え方、見方、生活環境があり、百人いれば百人とも違う空間に生き、この地球上で誰一人として同じ環境に住んでいる人間、生命体はあり得ないものだと思う。そのことを前提として「安楽死」に対する考え方は人それぞれであろう。康代に対する不満、白川に対する同情、関連して死を迎えた十二人の人たちへの思い、それは私たち読者が決定すべきものだろう。
その上で、私は私なりに思えることがある。
それは、「死」がこの宇宙上すべての「無」に帰するなら、人はその一生の中で、たとえ他人がどう思おうとも、自分勝手に振る舞い、自分勝手に生きられるはずだ。しかし、そういう生き方はエゴイズムの固まりであろうことは道徳的に誰しもが認めることである。であるなら、人は自分で思っている以上に無意識のうちに現在ある自分の生き方に責任を持っているのではないだろうか。そして、ほとんどの人は「死」は「無」を意味するのではなく、「死」は「次への生」を意味するのだと、無意識な感覚として生命それ自体が覚えているのではないだろうか・・・。それが責任を持った生き方といえないだろうか。
適当かどうか自信はないが、言葉で表すならば「因果応報」というべきか。でなければ、「死」というものを軽く見てしまいかねない。同時にそれは「生」というものを軽く見てしまいかねないと思う。
最初に述べたように、その考え方は百人いれば百様。でも、「安楽死」には「生・死」に対する哲学的思想が必要だと思うのは私一人ではないだろう。「生」ある以上「死」は必ず訪れる。確信ある生き方、責任ある生き方が必要だと改めて気づかされた一書ではなかったかと感じる。
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