今さらだが、書きたいことを書きたいように書ける場所、というのを探すのは、今、世の中に訴えたいことがある者にとっては至難の業のようだ。
前作の「まず石を投げよ」で不完全燃焼ぎみだった著者の主張が、ここにすべて出ているという感じ。
これまで「廃用身」で脳疾患、「破裂」で心疾患に対する過激な解決策を提示してきた久坂部氏が、今回は若者のがんを例に挙げて「安楽死」に対する問題提起と解決策を示してきた。
同じ医師作家として海棠氏の作品も好きで読むが、真剣さ及び解決策の具体的なところはこちらが断然上である。
個人的なことを言えば、私はアレルギー性の喘息持ちであるから、医者には「喘息で死んだやつはいない」と言われても(とんでもないわな)、小さいころから「死ぬとき」を考えてきた。
テレビなんかで家族に「今までありがとう」的なことを言って微笑んで死ぬ場面を見るにつけ、自分にはできないなーと真剣に悩んできた者にとって、これは魅力的な提言だ。
まあ、夫も子どももいない身なので、病院でだれかに看取られて死ぬ確率はかなり低いわけだが、こういう薬が本当に承認されたらと思う。
満足。