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神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)
 
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神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫) [文庫]

村上 春樹
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (65件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる…。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた―。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。

内容(「MARC」データベースより)

しんと静まりかえった心の中のいちばん深い場所で、たしかに、それは起こった-。小さな焚き火の炎のように、深い闇の中に光を放つ。『新潮』連載「地震のあとで」に書下ろし一篇を加えた初の連作小説。〈ソフトカバー〉 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 237ページ
  • 出版社: 新潮社 (2002/02)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101001502
  • ISBN-13: 978-4101001500
  • 発売日: 2002/02
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (65件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
 関西大震災を題材として,人が生きてゆく上での心の支えや,生きる原動力,あるいは常識だとか日常,人生観などというものが,いかに脆くて儚い虚構であり,夢幻のようなものであるかということを描いた作品だと感じた。 
 現実というのは,人の心の中心にあるそれら真実とは似て非なるものであり,また時としてそれを大いに裏切る。 たとえば大震災という出来事が現実として起こり,それまで人々がどっぷり浸るように信じきっていたモノが根本から徹底的に破壊されたとき,人が直面するものは一体何なのか,ということを筆者は考えたかったのではなかろうか。

 『super-frog saves tokyo』 という物語で,金融機関で働く主人公のもとに突然現れた大きなカエルが,東京の地下に潜む巨大なミミズを 『退治する,退治しなくてはならない』 と言う。 それはカエルにしか出来ない仕事であり,それで東京を救うのだ,と信じて疑わない。 そしてある日,巨大ミミズとの死闘を演じてきたカエルは,力尽きるも自分が世を救ったのだと信じて,満足げに死んで,朽ちてゆく。
 カエルにとって 『巨大ミミズとの闘い』 というのは,カエルの心の中心に据えられた大いなる虚構であり,同時に人間一人一人が信じきっている 『真実』 というものを表している。 それは人の生きがいでもあり,本人にとっての常識であり,あるいは日常と呼ぶべきものだ。 それは仕事であったり,子供であったり,ポジティブなものやネガティブなものであれ,何にせよ本人にしか見ることの出来ないモノである。 人の心はその虚構によって支配され,また虚構のために生きて働いて,それに命をかけて,力尽き,最後は死んで土に帰る。 つまり,このカエルというのは主人公自身であり,また人間の誰もがこのカエルなのである。

 村上春樹の作品は,一見チンプンカンプンで意味不明なストーリーなようでいて,そこに秘められた比喩や暗示を見出すと,とたんに目から鱗が落ちたように一貫したテーマが見えてくる。  浅いようでいて深く,深いようでいて浅いような,そういうところが村上作品の魅力なんじゃなかろうか。
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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 村上春樹の作品は何冊か読んだが、いつもその不思議な世界観に圧倒される。
 自分はどちらかというと長編小説は苦手だが、この作品は、6つの短編に分かれていて読みやすい。震災という出来事と、6人の主人公の心の奥の揺れがうまく共鳴しあっている。
 主人公たちの、それぞれのこころの中の傷をうまく表現していると感じた。「タイランド」の主人公の女医がタイ人の運転手から「あなたの心の中に石が入っている」といわれ、不思議なアドバイスを受けるところなど、何か救われる思いがした。
 この6人が、特に悲惨な人生を歩んできたとは思わない。ただ、人は多かれ少なかれ、悲しみや心の病を伴って生きていると思う。各人の内的世界における傷とそれに対する静かな癒しが不思議な感じで表現されていた。そして、自分は十分にそれを共感することが出来た。
  
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
6つの短編から構成される短編集です。
登場人物は彼らの住む地から遠く離れた阪神淡路大震災の影響を何かしらの形で受けています。
そういう意味では地震をkeyにした連作短編集と言えます。

全ての物語には通奏低音のように暴力の影が垣間見られます。
それはみみずくんや地震男のようなものから、心の奥底にある白くて固い石、
釧路のホテルで感じる圧倒的な暴力の瀬戸際まで様々な形で登場人物達の前に現れます。
様々な暴力は彼らに影響を与え、損なおうとします。
その力は(地震のように)強力で、個人の力ではどうすることもできないように思えます。

それでもこの小説が読む人の心を打つのは、決して絶望だけを見せているわけではないからだと思います。
圧倒的な暴力を見せられても、それぞれの思いで抗い、戦おうとする意思の力を(まさに絞り出すような思いで)現出させます。

村上春樹さんの作品は全て読んでいますが、作品のレベルの高さ、伝わるメッセージの強さもあって1番好きな短編集です。
未読の方はぜひ読んで欲しい1冊です。

(ちなみに作品の中で異色なのは第1話「UFOが釧路に降りる」です。
主人公は何もわからないまま(流されるまま)少しずつ日常生活から逸脱して、暴力の影に近づいていきます。
第6話「蜂蜜パイ」の主人公がラストで明確な思いを述べるのと正反対なのが、構成的にも興味深いです。)
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投稿日: 22か月前 投稿者: a98s219
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投稿日: 2010/5/14 投稿者: トロピカーナ
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