上巻の最終章で、東方キリスト教でクリスマスに当たる1月7日のティムカット祭をエチオピア中部の街ゴンダールで拝観し、アークのレプリカを確かめようとして僧たちに殴り倒された筆者は、更に真実を追う旅に出る。下巻は、旧約聖書の記述を確信するところから始まる。筆者の推察は、モーセの生存時といわれるエジプトのツタンカーメンの遺品や古代エジプトと旧約聖書の共通点をめぐる。そしてユダヤの伝承を確かめるためにイスラエルへと舞台を移す。この辺りの記述は、旧約聖書や古代エジプト考古学の知識が多少ともある方にはわくわくする部分である。そして南エジプトのアスワン・エレファンティーネ島で得た確証。最後に著者の推察は確証となって、再びエチオピアのアクスムへと至る。内戦下にあったエチオピアや独裁政権スーダンの現代政治の現実も併せて垣間見れる。読後、アークはたとえカビだらけで朽ち果てたただの破片状態であろうとも、そこにある・・・のではないかと思わせる。いつか歴史のたががはずれて、世界に正体を現す日が来るかもしれない。