本書を読む前に目次や参考文献を見たり著書についてネットで調べてみたりしました。
そこで生まれた以下の偏見…
・参考文献が少ない。宗教哲学を語る本であればもっと本格的な小難しい参考文献が多数あってもよいはず。
・著者は死刑反対論者
・目次だけみてもかなり基礎的な部分しか触れていない超入門書レベル
以上の偏見を持ちながら読み進めたのですが、本書は宗教入門書ではありませんでした。
これまでの宗教解説本とは一線を画す名著でした。
普通、宗教本といえば成り立ちや教義についてわかった風なことを解説するのが定番ですが本書はタイトルにもあるように「神さまって何だろう?」ということを読者に考えさせる本です。中学生以上を対象に書かれた比較的平易な書籍でありながら、ここまで考えさせられる本は初めてでした。
宗教の入門書として見ればほんのさわりレベルなのですが、神さまは本当に存在するのか、何のために存在するのか、なぜ宗教戦争が起こるのか、なぜ○○、なぜ○○…と徹底的に疑問を投げかけます。
「宗教が政治と結びついたときに悲劇が起こる」、「カルト教団は犯罪をおこしてしまう」というよくある解説で終わっていないのです。テレビで一時期猛烈にバッシングを受けたパナウェーブ研究所が実は何も社会に外を及ぼしていないこと、オウム信者が実はとても純粋で善の固まりのような人々であることなどを述べていき、これまでの思い込みを再考させられてしまいます。わかったつもりでいたことについて、自分は何もわかっていなかったのだと再認識させられ「うーん」と唸ってしまいました。
繰り返しますが本書は入門書ではありません。考える本です。単なる宗教の知識を得たいだけの人にはあんまりな本だと思いますが、一度まじめに宗教について考えてみたいという方にはとても良い機会を与えてくれる良書だと思います。