表題作「神々の糧」は太平洋戦争中の日本軍を主役とした怪奇SF譚で、題名から有名古典小説を連想された方にはネタバレしているのですが、滝沢氏の既出作品集「フー・ファイター」を気に入った方や特撮映画がお好きな方には限りなくお薦めです。
作者の地味なキャラクターデザインの日本兵が南洋の孤島で遭遇する怪異は当初からクライマックスまでの等比級数的なエスカレート振りが凄まじく、思わず呆気に取られます。
その他では珍しい第二次大戦中のフィンランドとソ連空軍の戦いを描いた掌編や、F1物等異色の短編も含まれており、バラエティに富んでは居ますが、やや散漫で拾遺集的な印象です。
それでも一見地味ながら綿密な取材に誠実な絵に奇想を加えた滝沢氏ファンには堪らない作品集です。お薦めです。