「権威」の作り上げた歴史を根底から覆すことは確かに痛快だ。
だからこそ本書もベストセラーになったのだろう。だが、下巻も終
焉近くなり、どこか宗教がかった終末論が出てくるあたりで気が付
くべきである。何かが変だと。そして冷静に上巻から読み直して検
証して見るべきなのだ。たとえば、
「地殻変動を都合の良いときだけ持ち出していないか?そして都合
の悪いときには触れもしないのはなぜか?」。
しかしもしあなたが上巻を読破し下巻を購入しようとしている、
つまりすっかりハンコックの罠にはまっているのであれば、こ
の忠告は果たして届くだろうか。
これは「歴史書」ではなく、「小説」である。彼は「歴史家」
ではなく「小説家」である。
上巻は「小説」としての価値を認めるが、下巻は危険な終末論に
彩られており、毒がある。だが、毒を食らってみるのも良かろう。
対処法をよく理解した上でならば。