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神々の乱心〈下〉 (文春文庫)
 
 

神々の乱心〈下〉 (文春文庫) [文庫]

松本 清張
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

昭和八年、「月辰会研究所」から出てきた女官が自殺した。特高係長は謎を追うが──。満洲と日本を舞台に描いた未完の大作千七百枚

内容(「BOOK」データベースより)

昭和8年の暮れ、渡良瀬遊水池から他殺体があがった。そして、もう一体。連続殺人事件と新興宗教「月辰会研究所」との関わりを追う特高係長・吉屋謙介と、信徒の高級女官を姉に持つ萩園泰之。「『く』の字文様の半月形の鏡」とは何か?背後に蠢く「大連阿片事件」関係者たちの思惑は?物語は大正時代の満洲へと遡る。未完の大作。

登録情報

  • 文庫: 446ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2000/01)
  • ISBN-10: 4167106868
  • ISBN-13: 978-4167106867
  • 発売日: 2000/01
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
鮮烈な群像劇 2004/12/10
形式:文庫
強烈な信念をもって生きる登場人物。特高のやり手にしては生身の人間らしい吉屋謙介、行動的で、好奇心旺盛な華族の萩園泰之、そして謎の人物横倉健児・・・それぞれの男達に感情移入ができる。女性陣も強くてスゴイ!萩園の妻、まさ子は先斗町出の粋な京女、萩園の姉、彰子は毅然とした宮中の女官。広島の旅館の女将、川崎春子は随所に“名演技”を見せる。在満州では、頭がいい吉林省の旅館の女中、坂下キク、九臺に住む江森静子は不思議な霊力をもつ・・・加えて実在した、大本教の出口王仁三郎、張作霖、溥儀らが要所要所に登場し(もちろんセリフはないが)深みを与えている。まさに1933年から35年の日本にタイムスリップした気分になる。前半は、連続して死体が発見されるという展開。世情や風景が、目の前にあるような記述なので、臨場感に浸り読むことができる。そして、吉屋と萩園が、奈良、埼玉、広島、栃木をロードムービー風に、二人別々に謎を追うという因縁もおもしろい。中盤の「満州編」は異国情緒たっぷり。浪漫を感じさせる。この章のエピソードがあればこそスケールの大きい感動作になったと思う。終盤は、国際連盟脱退後、不穏さが漂う日本、事件の真相、意外な人間関係、一部の顛末が明らかになってくる。宮中の内情やしきたり、女官の同性愛、新興宗教の弾圧、阿片を介した満州支配、関東軍のテロ、実在した歌人・華族の醜聞、禁忌のオンパレードなので、まさに“今”だから著述できたのであろう。華族礼遇も特高警察も、古墳盗掘者も、そして「不敬罪」も今はない・・・過去を反省するのではなく、大戦前夜、激動の予兆を感じながらも逞しく生きた、有名無名の人生、(良くも悪くも)彼らの力強さにあやかりたい。未完の本作は、いくつかの疑問が明かされないまま終わる。しかし、彼らがその後どうなったか想像する楽しみは大いに残る。読後の感動や余韻はしばらく消えないだろう
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By 浦辺 登 VINE™ メンバー
形式:文庫
 残念ながら、この作品が完結する前に松本清張は亡くなってしまった。
 少しずつ、結末に向けて大どんでん返しを期待していただけに、なんともしがたい消化不良を覚える。
 編集者が様々な推理を交えて解説してくれているのがおもしろいが、そこから、松本清張という作家の執筆生活の一端も垣間見えておもしろい。

 舞台のひとつとなった満洲国の資料は、その多くは日本側には残されていない。
 ゆえに、想像に想像を加えて書き記るすしかなかったのだろう。この満洲の全貌がわかると、また、まったく異なる読み方ができるのにと思った。

 全般に、スケールの大きな内容だった。
 読者が日本の戦前の姿を理解できれば、さらなる評判を取ったのではと思う。
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形式:文庫
渡良瀬遊水池と埼玉の洞穴で見つかった3人の他殺体の犯人捜しを巡って,埼玉県特高課係長吉屋謙介の地道な探索が続きます.この間,新興宗教団体である月辰会総合研究の誕生までの経緯が満州を舞台に語られます.満州の特務機関員として諜報や民生かく乱,阿片密売を取り仕切っていた平田有信こと秋元伍一の過去が明らかにされていきます.一方,深町女官(萩園彰子)の弟萩園泰之は,自殺した北村幸子の弟北村友一を月辰会に内偵者として送り込み,宮廷女官と月辰会のつながりを明らかにしようと独自に試みます.

すべての点が線で結ばれ,ドラマが大団円に収斂していく過程で,江森静子と秋元の犯罪を巡る打ち明け話の会話の途中に唐突絶筆となります.ドラマの展開と終焉がどうなるのか‥‥‥?巻末の編集部註釈や原武史氏の『松本清張の遺言(神々の乱心を読み解く)』でその後の展開が考察されています.しかし,すべては読者の想像に委ねられた感があります.松本清張ファンなら『昭和史発掘(1-7)』を参考にしながら,自分なりのストーリー展開を楽しむべきでしょう.

途中で投出しては松本清張先生に申し訳ないという思いで,なんとか最後まで読み終わりました.清張といえども,さすがに晩年は筆の勢いが衰えたのだなというのが正直な読後感です.
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