"For me it is an underworld,an ancient domain of forgotten ancestors"(666p)
ハンコック氏が訴えたいこととは、つまりこのことである。この姿勢は終始一貫して流れている。
一般の見解では、文明は今からおよそ5000年前にメソポタミアで発生したといわれているが、著者はそれよりももっと以前から文明が世界各地で生じていたのではないかと考えている。そして、その名残が現在海底に静かに眠っているのだと結論に導く。
95年に「神々の指紋」を出版して以来、学者達からその真偽について酷評された後、あえてそれを自ら立証するために今回この作品に挑んだという。そしてインド沿岸の海底から約9500年前の人工建築物を発見するに至った。
また、その他にマルタ、キューバ沿岸(エドガー・ケーシーが予言したことで有名)、台湾、そして琉球へと話は続いていく。その途中に挟まれた古地図の話も興味深く面白い。
日本では、縄文人について独自の視点でその足跡を追っていく。実際、日本人である自分でも知らないことが多くあり勉強になった。
内容ももちろんだが、驚くべきはハンコック氏の活動力と、飽くなき探究心である。50歳を越えて何百回とダイビングし、世界各地をフィールドワークして回ることは容易ではない。そこが先ずなによりも尊敬すべきところだろう。それと何に対してもopen-mindである姿勢だろう。
神話、民間伝承、地元の漁師など、一見当てになりなさそうなものでも興味深く調査するその姿勢である。
最初は、仮説ばかりが目立ち退屈に思えたが、いつの間にか魅了されていた。非常に面白い作品だった。