恐らく著者が意図したこと(書いていること)の一万分の壱も理解出来てない…と
自覚しながら、これを書いています。
レビューでは無く読後の感想、ということで御理解の程。
テレビ番組はもちろん、アニメや漫画と言った狭義でのオタク的なものへの素養と
言うか、理解と言うか、ぶっちゃけそれを見て育った人だと、にやにやしながら楽しめる
のでは?と思える一冊。
小説のふりしたオタク度テスト(笑)…なのかと読書中、ずっと感じていました。
丹下左膳と丹下段平の違いから入る「丹下」、80年代アイドルネタをスパイスにした
「マラソンをさぼる」、戦隊物とデスノートが伏線(?)になっている「山根と六郎」
シリアスな展開なのに(もしかしてネグレクト?と思わせる)夕方の再放送タイム
(特に特捜最前線ネタがヒット)を散りばめた十時間…等、全10篇。
これは作者と同世代の人には共通言語と成りえるネタなので、すっと本文中に入って
行けるでしょう。
読むだけなら、2時間もあれば終わります。しかし、何故か(この作品のテーマは
○○だ!と私が理解できていない、という点も影響しています)後に引くのです。
舞台は(多少突飛なものも有りますが)全て日常。どこにでも有りそうな光景を切り
出しています。そこでちょっと落ち込んだり、逆にクスッと笑わされたり、これいいな!と
思ったり…空気感も含め、そこら辺をちゃんと「文字」に出来るのは才能だと感じた次第。
個人的なお勧めは若夫婦の日常を描いた「ファットスプレッド」、前職同僚の披露宴に
参加することになった男性を描いた「祝福」の2編。どちらも読後にちょっと心に温かい
ものを感じることができると思います。