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東条英機やその妻などが肉親などに書いた手紙が数多く紹介され、それらをもとに、開戦時の首相でA級戦犯として絞首刑をうけた、東条英機という一個人の人間性を紹介していくような作品。
確かに質素倹約を旨として、昭和天皇からもその律儀な人間性を評価された部分は伺い知れるし、だからといって本書には、歴史的に身内しかしらない重要な事実等は含まれていない。
私は個人的に、一人あの戦争の責任を一身に受けている東条にも、東条の家族というだけで冷たい世間の仕打ちをうけた著者をはじめとする親族の方にも、同情の念を禁じえないし、東京裁判が不当なものであったとの認識も持っている。
しかしながら、中国戦線を拡大した関東軍の参謀として。また日米関係を悪化させた近衛内閣の陸軍大臣として、太平洋戦争開戦時の内閣総理大臣として。その席にあったものが、評価されるべきは個人的な性格ではなくて政治的な部分や国や国民生活に何をもたらしたかの結果だけであることも、また悲しいかな事実であるし、もしろそうあらなければならないものだろう。
それに彼ら家族の者も、終戦間際から戦後の長い機関、東条の家族という理由で受けた仕打ちだけでなく、関東軍の憲兵司令官や参謀長時代、また陸軍次官や大臣、そして総理。一級の高級将校であったものを身内に持った栄誉も少なからずあった筈である。
そういった意味で身内しか知らない、歴史的な事実なりエピソードなりが含まれていると思って買った私には、いささか不満足な内容でした。
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