現世利益の実現という副題があえて、
パラドックスに 思えるほど、
本著の中身は、最近のスピリチュアルブームで多く、
出版される神道系の本のなかで
硬く地に足のついた、日本人の土着な信仰心の背景と
心情を研究した本だと思える。
いわゆる象牙の塔の中に籠もりがちな
学者という立場である著者が、
あえてアニミズムの原点とも言うべき
拝みやに入門し、その世界を探求した姿勢に、
学者としての真摯な情熱を感じる。
日本人が近年忘れかけている、私たちの血や肉に
なってきた日本的信仰のわかりやすい入り口として、
私はこの本を、人に勧めたいと思う。
巻末の大祓詞などは、
特に息継ぎを何処で取って良いかわからない
入門者にとって、目から鱗の心遣いだと思う。