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32 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
代表作を網羅した恐ろしくハイレベルな短編集,
By Fenomeno Agradavel (japan) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 祈りの海 (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
他の作家と密度が違い過ぎる。一つ(時には2つ以上)のアイデアを、短編の短い行数の中で、これでもかとばかりに突き詰める。アイデアといい、思考といい、ユニークにして緻密で、他に似た作家を思いつかない。90年代に限らずSF史上最高の作家の一人といっていいのでは。今までに訳された2冊の長編ははっきりいって今いちだったが、この本に入っている短編は、どれもトップクラスの出来栄え。読書の歓び、考えることの歓びを、これだけ感じさせてくれる本は少ない。SF読み以外にも薦められそうな「普通の奇想小説」的スタイルの作品が結構多いのも好感が持てる。残念なのは日本版特別編集であるため、原書収録の未訳短編が我が国単行本未収録のままで終わりそうな懸念があること。イーガンぐらいは原書のままで、全作品訳して欲しいんだけどなぁ・・・。
31 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
衝撃で目が眩む作品,
By
レビュー対象商品: 祈りの海 (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
90年代最高のSF作家、グレッグ・イーガンの日本オリジナル短編集。収められた短編すべてが、尋常でない密度と切れ味を持っていて、一読するとその衝撃で目が眩みそうになる。この衝撃はどこからやってくるのだろう? 一言で言えば、すべての作品が読者のアイデンティティを揺るがすような効果を持っているからである。いまどきアイデンティティを扱った小説なんて珍しくもない。しかしこの短編集は、それをSFでしか、否イーガンにしかなしえない手法で描いている。 イーガンは作品内に分子生物学、量子力学、仮想現実などの科学理論を持ち込む。そうした科学理論は純粋な概念、言うならば、形而上のものである。そういった形而上の概念が、とびきり切れ味の良いアイデアで現実の個人の問題と結びつく、その手際がすばらしく、読者は科学の手法がダイレクトにアイデンティティの問題に結びつく衝撃に眩暈を感じずにはいられないだろう。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人として人類としてのidentityを問う短編集,
By 黄金比 (熊本市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 祈りの海 (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
イーガンの共通した命題である、人として人類としてのidentityを問う短編傑作集です。科学的手法を用いた人類のあくなき挑戦に対する絶賛の賛同と同時に、人類としての限界を認知することに対しての人類への慈愛の念が、最近の長編の難解さ無しで、ストレートに伝わってくる名作集です。初めてイーガンを読まれる方にはお勧めです。
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