人には、「なぜ、生まれてきたのか? 何のために生きているのか、生きていることにはどんな意味があるのか? そして、自分が死んだ後に何が待ち受けているのか、ということを知りたいという欲求」(本書p.174)があります。
わたしは、即物的な人間ですから、「死んだ後に何が待ち受けているのか」には興味がありません。
今をよりよく生きたいとだけ願っています。
今をよりよく生きるためには、「なぜ、生まれてきたのか? 何のために生きているのか、生きていることにはどんな意味があるのか?」、そして、その「なぜ」、「何のため」、「どんな意味」がおぼろげながらにも理解できたら、「今していること」と「これからしようとしていること」や「今考えていること」が、それらに沿ったものであるかどうかを明確に意識していくことが大切なのではないかと思います。
そして、それらに沿ったものであるような生き方をするために、誠実であることや、一所懸命であることが何より大切であると思います。
なぜなら、神ならぬ人である我々は、今与えられている能力や機会を最大限に活用発揮することしか他に選択する道はありません。
でも、人生の時間は限られているし、がんばってもどうにもならないように見える場合もあります。
この本でも、「人間の力でできること、努力すればできることは人間がやりなさい」「どんなに努力したって変わらないということについて、神、仏に対して拝むわけです」(p.89)とあります。
これを、わたしなりに翻訳しますと、「もうこれ以上、努力のしようがない、やれるところまでやったけれど、もうこれ以上やりようなないというところまでやったことについてだけ、神、仏に対して拝むのだ」ということです。
もともとわたしは、現実主義的な人間です。
リアルな結果がなければ信用はしないたちです。
祈っただけでなんでも結果が出るなどということはあり得ないと思っています。
しかし、とことん考え、とことんやった先には、もう祈るしか無いという経験を数多くしてきました。
だから、この本の著者が言われることはよく理解できます。
この本は、カルト本ではありません。
著者や特定宗教への依存を求めるものではなく(他にはところどころに洗脳の仕掛けを隠しているような本やブログもありますが)、本書にはむしろ、各人が各人の信念をもって、各人の崇敬神なり仏なりを大切に、自立した個人となるようにという願いがこもっているように感じられます。
著者は、世間的には、宗教家であり、学者であり、教育者としても分類されます。
この本は、それぞれの肩書きに応じた思いがにじみ出ています。
修験者や神職、僧でなければ身近ではなかった、真言や祝詞、呪文なども掲載されていて、初心者には大変興味深いです。
わたしは、本書を読み、自分の親や祖父母、先祖とのつながりや、自分とともに在るであろう神仏のことなどに思いを馳せ、今を生きる後押しを得たような思いがしています。
スピリチュアルなものに関心のある方、巷にあふれるスピブームに違和感を持っておられる方、経営や学業の成功を望んでおられる方、人生の方向性を模索している方にぜひ読んでいただきたい、入門書的なお勧めの1冊です。