ミシュランで2つ星を獲得した祇園さゝ木の佐々木さんの料理哲学や料理のレシピが掲載してありますので、居ながらにしてお店に呼ばれたような感じを受けます。
佐々木さんはテレビへの出演も多く、軽妙なトークが来店する客に好評ですが、本書でのコメントもまたユニークで面白いエピソードが詰まっています。寡黙な料理人とは対極にある新しい感性が感じられます。当然のことながらそれぞれの料理の素材には格別気を配っていました。10ページに書かれている「筍を極める流儀」では、掘りたての筍をすぐに料理できるように、バイクで運ぶといった苦労も垣間見られました。このこだわりが料理の質の高さにつながっているのでしょう。
料理本ですので、祇園さゝ木の12か月の特徴ある献立が誌面を飾っています。材料の配分、作り方の工程など、料理人が伏せておきたいような情報も掲載するというのは自信のあらわれだと思いました。
全頁カラーですし、作り方が時間をおって写真に載せられていますから、料理にチャレンジしてみる値打はあるでしょう。この通りに作ったからといって同じような味になるかどうかは分かりませんが、「だしが命」といっているご主人ですから、そのあたり手を抜かなければ上手くいくでしょうね。食材の質が高く、斬新な料理が評判のお店です。「予約を取るのが難しい店」と言われている真骨頂がここに収められています。
12か月のレシピには、毎月4点程度、全部で38品の美しい料理が載っていますので、プロの料理人にも関心があるところでしょう。