事件にしろ自殺にしろ、アパートで人が死ぬと、後片付けをする人がいる。
電車に轢かれた人がいれば、汚れた電車をきれいにする人がいるはずである。
人身事故で電車のダイヤが乱れたとき、誰がどこでどのような掃除をしているのか、
なんとなく考えていたが、この本でじっくり読んでしまうと、気分が重くなる。
真実の姿を知ることは、確かに大切なことだといえるが、知ってしまうと、
後々まで夢でうなされるような方は、読まないほうが無難かもしれない。
鉄道とは労働組合の世界だという話は、とても興味深いものがある。
本来、労働者のためにあるはずの組合が、複数生じると、組合のための組合になって、
会社の人間を平気で罵倒するだけでなく、対立する組合まで罵倒する。
ごく一部の組合だけなのかもしれないが、今は亡き父が会社勤めの頃、ぼやいていた。
鉄道マニアに関する話も面白い。
一般人の想像を超えるところに、至福の時間があるのがマニアなのかもしれないと思う。