本書についてK-sanは辛辣な書評を書いておられる。本人の資質ややる気の問題で「干された」結果が社内失業であり、こうした人を「解雇できないできないことこそが、日本の問題だ」と切って捨てておられる。暴論である。このままでは、本著への誹謗中傷になりかねないので、公平のため反論させていただく。
著者は112Pで経済財政白書のデータを上げている。2008年(1〜3月期)の企業内余剰人員は38万人、それがリーマンショック後の2009年(1~3月期)は607万人に激増しているという記述である。好むと好まざるとにかかわらず新たに社内失業に落としこまれた人が569万人増えたということで、これは社会的な大問題であろう。窓際族も同じだが、社内失業者のなかにはK-sanのいう「協調性がないトラブルメーカー」や「仕事のクオリティが(著しく)低い」人もいるだろう。しかし、本人以外の理由によって「やる気」があるのに陽の当らないところで苦しまざるを得ない人はたくさんいる。定年まで勤めあげた元サラリーマンの私は、その多くは職場の「空気」の悪さにあり、「人をみていない」管理職が諸悪の根源だと断じたい。本著のインタビューをみれば上司の情けなさに怒りさえ覚える。もとよりその上司もまた上級者にネジ曲げられて苦しんで余裕を失っているのだろう。すると悪いのは社長か?脱線失礼。
社内失業が本人以外の問題であるケースは多々あり、これを社会的問題としてどう解決すべきかが、喫緊の課題であることは間違いない。企業の人事関係者、大学の教員はじめ多くの人々におすすめしたい。「あとがき」を読むと、なんと「社内失業」なる一書は当の社内失業状態から生まれているようだ。恐るべし、日本の社内失業。本著などなくてすむ日を待望しよう。