社会問題を解決するための活動はただ1回やればいいというわけではない。持続
的・継続的に続けなければ意味がない。寄付に依存したボランティアやNPOではな
かなか効果を上げるのは難しいだろう。そこで今注目されているのが社会起業家
である。
社会起業家は社会問題を解決する仕事(ビジネス)を自ら作りながら働いている。
ビジネスの要素を取り入れることで、生きるためにお金が必要な人も仕事として活
動に参加できる。ビジネスなので責任が高まり、援助を受ける側も善意がいつ途切
れるのか心配する必要も少なくなる。「仕組み」ができているので活動が継続でき
る。
本書はそのような社会起業家、もっと言えば日本の若い社会起業家を紹介する本
だ。「地域再生」「キャリア支援」「ワークライフ・バランス」「農業再生」「在
日外国人支援」「途上国支援」「環境保護」「NPO/NGO支援」という8つの分野で
活動している21の団体が紹介されている。
実例が紹介されているので「社会起業家はこういうことをしているのか」と実感
がわく。社会問題を解決する、というとなんだか大それた目標の気がするが、実際
に彼らが行っているのは身近なこと、また自分自身ができることであることが多い。
自分にもなにかできるかも、小さなことでも始めてみることが大事なのかと感じた。
この本はライターが取材して書いたオムニバス形式の本だ。なので社会起業家に
興味をもち「もっと社会起業家の活動を深く知りたい」という人は別の本も参照す
るといいだろう。社会起業家が書いた本などを参照すれば、もっと活動の内容が深
く知れる。
行政や他人に頼るのではなく、日本をより良い社会にするために自分になにがで
きるか。そのことを考えるうえで多くの示唆を与えてくれる本だ。